楽天モバイル、音声SIMも本人確認書類なしで申し込み可能に 三木谷氏「厳格な本人確認は限界がある」
楽天モバイルが2023年8月末以降、音声SIMでも本人確認書類を提示せずにせずに申し込める仕組みを提供する。楽天の金融サービスを利用していることが条件。楽天の三木谷浩史氏は、現行の携帯電話サービスの本人確認の在り方について疑問を呈した。
楽天モバイルが2023年8月末以降、音声SIMでも本人確認書類を提示せずにせずに申し込める仕組みを提供する。
本人確認書類を提示不要で楽天モバイルに申し込める仕組みは、7月からデータSIMで提供している。データSIMの場合は、楽天カードを所有している18歳以上のユーザーに限定される。なお、楽天モバイルは当初、本人確認不要の申し込みについて「ワンクリックで開通できる」と資料で表記していたが、8月10日の決算説明会では「簡単申込&開通」という表記にしている。
音声SIMの簡単申込&開通は、楽天銀行、楽天証券、楽天生命保険といった、楽天の金融サービスで本人確認が完了しているなどの条件があるという。
携帯電話の音声サービスでの本人確認は、犯罪防止の観点から、携帯電話不正利用防止法で義務化されている。楽天モバイルの仕組みは、金融サービスでの本人確認がベースになっているとはいえ、法的に問題がないのかは気になるところ。
また、楽天モバイルも所属している業界団体、電気通信事業者協会(TCA)に加盟している通信事業者は、データ通信や音声通話のサービスを契約する際、自主的に本人確認を行うことを明文化している。
楽天グループの会長兼社長の三木谷浩史氏は、音声SIMの簡単申込&開通について、「金融で行っている本人確認は厳格にやっている。むしろ携帯ショップよりも厳格にやっているのでは?」とコメント。
携帯電話サービスにおける本人確認の在り方について「日本から海外のeSIMを簡単に買える中で、携帯の本人確認を厳格にやることが本当に有効なのか」「楽天グループとしては、本人確認は別の形でやっていくのがいいのではと思う。原始的な本人確認の厳格化は限界があるとマクロ的には思っている」と話した。
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