レビュー

光るスマホ「Nothing Phone (2)」は初号機から何が進化した? 使い比べて分かったこと(2/2 ページ)

英Nothing Technologyが7月25日に発売したスマートフォン「Nothing Phone (2)」。先代のPhone (1)から何が進化したのかを実機比較でお伝えする。背面LEDを活用した通知機能は利便性が向上した。

前のページへ |       
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

想定以上に“そこそこ撮れる”カメラ

 続いてカメラについてチェックしていく。

 マーケティング部門に所属するアキス・イワンジェリディス(Akis Evangelidis)氏によると、カメラエンジニアを40人から100人に増やし、Phone (2)のカメラにもアップデートを加えたという。


Phone (2)のアウトカメラ

 作例は次の通りとなる。

advertisement

超広角カメラで撮影。左がPhone (1)、右がPhone (2)の作例(以下同)

少しズームしてみてもほぼ同じ

2xの望遠で撮影。どちらもほとんど同じ

 どちらも皇居から有楽町方面までを撮影した写真だ。作例を表示させるモニターによってはPhone (2)の作例の方がやや色鮮やかに見える。……が、2世代目になった分、初代よりキレイな仕上がりか? と言われるとそうでもない。

 圧倒的な差が分かったのはデジタルズームをした時の解像感。Phone (1)とPhone (2)で撮影した写真の仕上がりを比較してみると、Phone (1)ではディテールがぼやけて分かりづらいが、Phone (2)では建物の看板や、窓ガラスの枠などがハッキリと分かる。とはいえ、どちらも塗り絵のような仕上がりにはなる。


デジタルズームになると違いが分かる。Phone (2)は解像感が増している

Snapdragon 8+ Gen 1の性能はどうか

 気になる性能についても確かめていく。

 Phone (2)はQualcommの「Snapdragon 8+ Gen 1」を搭載する。Snapdragon 8+ Gen 1は、2021年12月発表の「Snapdragon 8 Gen 1」の強化版のような位置付けで、設計は8 Gen 1とほぼ同じだが、製造はSamsungではなくTSMCが請け負う。CPU性能は最大10%、GPU性能も最大10%向上。ワット当たりの電力性能は20%向上するという。

 ただ、これは2022年に展開されていたプロセッサで最新のものではない。2023年に発表かつ発売されたハイエンドモデル「Galaxy S23」「Xperia 1 V」は最新の「Snapdragon 8 Gen 2」を採用している。普通に考えれば2023年のPhone (2)も最新のプロセッサでも問題ないはずだ。

 なぜ型落ちしたプロセッサをあえて採用したのか? Nothingは発表イベントの前に「パフォーマンスを最優先するよりもPhone (2)での体験が重要である」との考えをTwitterで明らかにしていた。

 とはいえ、Phone (1)が搭載するミドルハイ向けの「Snapdragon 778G+」よりはレスポンスがいい。マルチタスクはこなしやすく、アプリの起動や切り替えなどは、Phone (2)の方がややスムーズに動作する。ベンチマーク結果でも双方に差があることが分かるし、それだけパフォーマンス面での差を体感できるはずだ。

 Phone (1)とPhone (2)の12GB/256GBモデルに「Geekbench 6」アプリをインストールし、ベンチマークを計測したところ、次のような結果となった。

  • Phone (1):シングルコアのスコアが1066/マルチコアのスコアが3025
  • Phone (2):シングルコアのスコアが1724/マルチコアのスコアが4415

左がPhone (2)の結果、右がPhone (1)の結果

 Phone (2)のバッテリーはPhone (1)より200mAh多い4700mAh。33WのPhone (1)よりも急速に充電できる45W対応もうれしいところ。約55分で完全に充電できる。ワイヤレス充電や他の機器へワイヤレスで給電する「バッテリー共有」機能も搭載する。

おサイフケータイは欲しいが、お買い得なモデルに

 このように、Phone (2)は機能、性能ともにブラッシュアップされた後継モデルといえる。しいてわがままを述べると、FeliCa(おサイフケータイ)には対応してほしかった。それでも背面LEDによる体験と、Snapdragon 8+ Gen 1の搭載で価格が7万9800円(128GBモデル※公式サイト限定)からはお買い得といえる。


おサイフケータイはPhone (2)もおあずけとなった。当然、背面にFeliCaロゴはない
前のページへ |       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.