iPhone 15のeSIM、旧機種からどうやって移す? 「クイック転送」を試した
日本国内で販売されるiPhone 15シリーズは物理SIMとeSIMに対応する。eSIM(Embedded SIM)はネットワーク経由で契約者情報(プロファイル)を書き換えたり、プランを変更したりできるのが特徴だ。eSIMを簡単に転送できる「eSIM クイック転送」の手順を説明する。
iPhone 15シリーズが9月22日に発売された。日本国内で販売されるiPhone 15シリーズは物理SIMとeSIMに対応する。
このうち、eSIM(Embedded SIM)はネットワーク経由で契約者情報(プロファイル)を書き換えたり、プランを変更したりできるのが特徴だ。Appleの「eSIM クイック転送」を利用することで、古いiPhoneから新しいiPhoneへの移行が簡単に行える。
ITmedia Mobileでは過去にもeSIM クイック転送の手順を何度か記事にしているが、ここでは楽天モバイルを例にeSIM クイック転送の手順を説明する。
eSIM クイック転送は国内の主要キャリアに対応
これまで、機種変更した端末にeSIMを移すには、eSIMの再発行手続きを行い、再びプロファイルをインストールする必要があったが、クイック転送を使えば、その手間を省ける。
2023年9月22日時点では、以下の国内通信事業者のサービスがeSIM クイック転送に対応している。
- NTTドコモ(docomo/ahamo)
- KDDI(au/UQ mobile/povo2.0)
- ソフトバンク(SoftBank/Y!mobile/LINEMO)
- 楽天モバイル
eSIM クイック転送のローンチ当初は対応する通信事業者が限られていたが、19日にソフトバンクが対応を発表したことで、国内4キャリアのサービスでクイック転送機能を利用可能になった。
事前に確認しておくこと
実際の手順について説明する前に、まずは古いiPhoneと新しいiPhoneがiPhone 11以降(iPhone SE 第2世代除く)であることを確認しよう。
合わせて、変更前と変更後のiPhoneのiOSが16以降であることも確認しておく必要がある。なお、キャリアによって動作するOSのバージョンが異なるため、ここに記載しておく。
- NTTドコモ:iOS 16.4以降
- KDDI:iOS 16以降
- ソフトバンク:iOS 17以降
- 楽天モバイル:iOS 16.0以降
eSIM クイック転送に関する受付時間も各社で異なる。
- NTTドコモ:終日(毎週火曜日22時30分から翌水曜日7時まではメンテナンスにより受付停止)
- KDDI:1時から2時まで、7時から23時50分まで
- ソフトバンク:2時から23時30分まで
- 楽天モバイル:終日
クイック転送はiCloudかBluetoothで行う
クイック転送はiCloudかBluetoothを使って行える。まずはiCloudを使った方法から見ていこう。
古いiPhoneから新しいiPhoneにiCloud経由でデータを転送している場合、それまで使っていた通信サービスの情報も転送されている。つまり、古いiPhoneと新しいiPhoneで同一のApple ID(2ファクタ認証を含む)へサインインを行っている必要がある。
新しいiPhoneで「設定」→「モバイル通信」の順に進み、「モバイル通信を設定」あるいは「eSIMを追加」を選択する。すると、古いiPhoneで使っていた電話番号が表示される。
次に新しいiPhoneで古いiPhoneからの転送を希望する電話番号を選択し、「続ける」→「番号を転送」の順に選択する。
すると「他のiPhoneで転送を承認」という項目が表示されるので、古いiPhoneに「使っている電話番号のSIMを転送しますか?」の項目が現れたら、「SIMを転送」をタップする。続いて、古いiPhoneに「転送を承認」と表示されるので、サイドボタンを2回押して、古いiPhoneから新しいiPhoneへの転送を承認する。
新しいiPhoneには「アクティベート中」「ネットワークに接続中」と表示されるので、しばらくその状態のまま待つ。「モバイル通信設定完了」の画面に切り替われば、これでeSIM クイック転送の操作は終了となる。最後に「完了」をタップしよう。
続いて、Bluetooth経由でクイック転送を利用する方法を見ていく。
Bluetooth経由の場合は、まず双方のiPhoneでBluetoothをオンにした後、新しいiPhoneで「設定」→「モバイル通信」→「モバイル通信を追加」もしくは「eSIMを追加」→「近くのiPhoneから転送」を選択。古いiPhoneに「電話番号を転送」と表示されたら「続ける」を選択。その後、新しいiPhoneに表示された検証コードを、古いiPhoneに入力すると完了する。
踏むべき手順は多いが、eSIMをサクッと転送できる
このようにeSIM クイック転送は、先に述べたような注意事項はいくつかあるし、正直いって踏むべき手順は多いが、通信事業者に本人確認書類を再提出したり、eSIM再発行の手続きをWebで行ったりする手間が省ける。
iCloudとBluetoothを用いた手順で大きく違うのは検証コードの有無。両方を比べると、iCloud経由の方が検証コードの入力が不要であるため、スムーズに転送できた。
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