携帯キャリアとの提携を強化するXiaomi 目指すのは「スマートなくらしを、すべての人へ」(1/2 ページ)
Xiaomiが日本で一挙7製品を発表した。スマートフォンだけでなく、IoT家電も積極投入していく。携帯キャリアとの提携も強化し、「スマートな暮らしを、全ての人へ」というコンセプトを推進していく。
Xiaomi Japanが9月27日、事業戦略と新製品に関する発表会を開催した。Xiaomiが日本で発表会を開催するのは、2019年12月に日本参入を発表して以来、約4年ぶり。2020年以降はコロナ禍の影響でリアルな場での発表会は開催しておらず、オンラインでの発表会にとどまっていた。
スマートフォンやスマートバンド、スマートTVなど、一挙7製品を発表したXiaomi。左がXiaomi Japanプロダクトプランニング本部 本部長の安達晃彦氏、右がXiaomi Japanの大沼彰社長
スマートフォンだけでなくIoT家電も積極投入
今回は、Xiaomi Japanの取締役社長に就任した大沼彰氏が、日本市場に対する戦略を語った。同氏は「イノベーションを絶え間なく打ち出すXiaomiで、日本のマーケットに貢献していきたい」と意気込みを話す。
大沼彰氏はパナソニックモバイルコミュニケーションズ、サムスン電子ジャパン、HTC NIPPON、ファーウェイ・ジャパンを経て、2022年1月にXiaomi Japanに入社。約30年間、移動体通信事業に携わってきた
そんなXiaomiがグローバルで打ち出しているメッセージが、「優れたテクノロジーを誰もが利用できるようにする」こと。そのためには研究開発の投資を積極的に行っており、5年間の投資額は毎年平均で38%増加。研究開発人員は全社員の半数を占めている。
Xiaomiはスマートフォンのイメージが強いかもしれないが、同社はIoT家電にも力を入れており、「グローバルで6億ものデバイスがつながっている」(大沼氏)という。優れた製品を、ユーザーの手の届きやすい価格で届けることにも努めており、2018年から、Xiaomiのデバイス事業の純利益率は、年間5%を超えないようにしている。
そして今回の発表を皮切りに、Xiaomiは日本に向けて「スマートなくらしを、すべての人へ」というメッセージを掲げる。これは、XiaomiのスマートフォンやIoT家電を浸透させることで、スマートな暮らしを体験してほしいというものだ。
7製品を一挙に発表 auでは異色のスマートテレビも取り扱い
27日に発表したのは、スマートフォンの「Redmi 12 5G」と「Xiaomi 13T/13T Pro」、タブレットの「Redmi Pad SE」、スマートバンドの「Xiaomi Smart Band 8」、スマートテレビ「Xiaomi TV A Pro」、ロボット掃除機の「S10」という7製品。各製品の詳細については、プロダクトプランニング本部 本部長の安達晃彦氏が説明した。
Xiaomi Smart Band 8は60Hz駆動の1.62型有機ELディスプレイを備えており、通常使用モードで16日間バッテリーが持続する。レザーバンドや金属のストラップを別売りで用意。ペンダントやランニングクリップもあるので、利用シーンの幅が広がる。価格は5990円(税込み、以下同)。
Redmi 12 5Gは、(市場想定価格)2万9800円で提供するエントリースマホ。90Hz駆動の6.8型フルHD+ディスプレイや5000万画素カメラを搭載する。プロセッサはSnapdragon 4 Gen 2、メインメモリは8GBまで拡張できる4GB、ストレージは128GBを内蔵する。背面にガラス素材を採用し、高級感あふれるデザインを目指した。おサイフケータイに対応していることも特徴だ。キャリアではauとUQ mobileでも扱う。
Redmi Pad SEは、2万1800円からのエントリータブレット。90Hz駆動対応の11型ディスプレイやクアッドステレオスピーカー、8000mAhバッテリーを備える。軽量なアルミボディーも特徴としている。
ここまでは、従来の延長線上ともいえる製品だが、日本で特徴を持たせた製品として投入するのが、スマートテレビのXiaomi TV A Proだ。チューナーを内蔵していないので、電源とネット環境があればどこでもYouTubeやNetflixなどの映像コンテンツを楽しめる。32型、43型、55型、65型という4つのサイズも用意する。価格は3万2780円から10万9780円。
これだけだと単なる変わり種商品で終わりそうだが、このスマートテレビを国内ではKDDIが独占販売する。au Online Shopだけでなく、auショップでも扱うので、一気に大きな販路を手に入れたことになる。また、スマートテレビはそのサイズ感も含めて実物を確かめてみたいもの。ショップで展示して来店者の目に触れることで、購買意欲を高める効果も期待できそうだ。「テレビはいきなり出しても広がらないので、いろいろな法人と交渉した。キャリア(KDDI)と会話をしていく中で、この分野でやっていこうと決まった」(大沼氏)
KDDIにとっても、スマートテレビで映像コンテンツの利用が促進されれば、外出先でも続きを見る、あるいはモバイル回線でテレビをネットに接続させる、といった形でARPUの上昇が期待できる。Chromecastにも対応しており、スマートフォンの画面をテレビに投影できるので、スマホとの親和性も高い。Xiaomiが目指す「スマートな暮らし」を体現する製品といえる。
Xiaomiが国内で初めて投入するロボット掃除機も、2万4800円という低価格ながらも、360度スキャンして正確なフロアマッピングを構築できるLDSレーザーナビゲーションを備え、4000パスカルの吸引力を実現した。適切な水分量を保って水拭きができるスマートウオータータンクも備える。
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