携帯キャリアとの提携を強化するXiaomi 目指すのは「スマートなくらしを、すべての人へ」(2/2 ページ)
Xiaomiが日本で一挙7製品を発表した。スマートフォンだけでなく、IoT家電も積極投入していく。携帯キャリアとの提携も強化し、「スマートな暮らしを、全ての人へ」というコンセプトを推進していく。
グローバルとほぼ同時発表の「Xiaomi 13T/13T Pro」 MediaTekの最上位プロセッサを採用
発表内容はこれで終わりか……と思いきや、「One More」と題して発表したのが、前日にグローバルでも発表したハイエンドスマートフォン「Xiaomi 13T」と「Xiaomi 13T Pro」だ。
2機種とも5000万画素の広角カメラ、5000万画素の光学2倍ズーム対応の望遠カメラ、1200万画素の超広角カメラを備え、光学式手ブレ補正にも対応。グローバルモデルはLeica(ライカ)監修のカメラに仕上がっているが、国内向けモデルにはLeicaのチューニングは施されていない。ただしセンサーは同じものを使っており、Leicaと培った画像処理のノウハウは生かされているという。
6.7型の有機ELは144Hz駆動に対応し、ピーク輝度は2600ニトに及ぶ。120Wの高速充電に対応する13T Proは、国内キャリアではソフトバンクが独占販売し、先代の「Xiaomi 12T Pro」と同じく、「神ジューデン」対応機種として訴求する。価格は発表されていないが、Xiaomi Japan担当者によると、「Xiaomi 12T Proと大きく変わらない価格になる予定」とのこと。ちなみに、12T Proの発売時のソフトバンクでの価格は14万3280円だった。
プロセッサはどちらもMediaTek製で、Xiaomi 13T ProがDimensity 9200+、13TがDimensity 8200-Ultraを搭載。13T Proが採用するDimensity 9200+は最上位製品に位置付けられる。発表会ではMediaTekの栫(かこい)啓介社長が登壇し、MediaTekがグローバルにおけるスマートフォン向けプロセッサで2年連続シェア1位であることや、Dimensity 9200+の特徴を力説した。
Dimensity 9200+は「圧倒的なパフォーマンスと優れた電力効率を両立させた」と栫氏は自信を見せる。Dimensity 9000比で、CPU性能は20%向上して消費電力は25%抑え、GPU性能は32%向上して消費電力は41%抑えた。「競合他社のフラグシップSoCと比較しても、ベンチマークが優れているという評価をいただいている」と同氏は胸を張る。これは、台湾TSMCの第2世代となる4nmプロセスを採用したことが大きいという。
Xiaomi 13T/13T Proともに、グローバルでの発表から間髪入れず日本でも発表したが、通常は日本での発表までにタイムラグがあり、同時発表は珍しい。しかも日本モデルはおサイフケータイにも対応しており、日本投入は早期に決まっていたことになる。「モデルによって日本投入のタイミングは異なる」(安達氏)が、日本市場の優先順位が徐々に高まっていることがうかがえる。
ブランド認知を広げるべく、販売パートナーが求める製品も投入する
スマートフォン、ウェアラブル、IoT家電など、日本でも着実にラインアップを拡充しているXiaomi。今後の製品ポートフォリオは、グローバル製品をそのまま日本展開するもの、キャリアやMVNOの方針に沿った製品の2つに加え、Xiaomiの製品とパートナーの戦略を組み合わせたソリューションも打ち出していく。KDDIと展開するスマートテレビや、ソフトバンクと展開する神ジューデンもその1つだ。
「(Xiaomiの)悩みはまだブランド認知が低いこと」と大沼氏は話す。キャリアとの提携を深めて販路を拡大することは、認知拡大の近道になる。今回はスマートフォン以外の製品もキャリアとともに売っていく足掛かりができたことで、より多くの層にリーチできそうだ。
一方で、大沼氏によると、タレントを起用したテレビCMなどは予定していないという。また、国内でのリアル店舗の展開も現時点では未定。IoT家電や非電化製品は幅広いラインアップを持つが、やみくもに投入するのではなく、「試行錯誤をする中で打率を上げながら展開していく」(安達氏)。多くのユーザーが求める製品を展開しながら、いかに認知を拡大できるかがXiaomi Japanの腕の見せ所といえる。
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