より“深いカスタマイズ”でKDDIと共同開発 Xiaomiに聞く「Redmi Note 10 JE」の狙い:SIMロックフリースマホメーカーに聞く(1/3 ページ)
おサイフケータイに対応するなど、徐々に日本市場向けの独自機能を取り込んでいるXiaomiだが、同社の次の一手として送り出す端末は“日本専用モデル”だった。エントリーモデルながら、ミドルレンジモデルに近い性能を持つ。KDDIとタッグを組み、コストパフォーマンスのいい端末を投入することで、5Gの普及促進を目指す。
おサイフケータイに対応するなど、徐々に日本市場向けの独自機能を取り込んでいるXiaomiだが、同社の次の一手として送り出す端末は“日本専用モデル”だった。タッグを組むキャリアはKDDIだ。Xiaomiは、8月2日にauとUQ mobileが発売する「Redmi Note 10 JE」を発表。価格は2万8765円(税込み)と廉価ながら、5Gにも対応する。コストパフォーマンスのいい端末を投入することで、5Gの普及を促進するのがKDDIとXiaomiの狙いだ。
Redmi Note 10 JEは、SoC(システム・オン・チップ)にSnapdragon 480 5Gを採用したエントリーモデル。おサイフケータイやIPX8、IP6Xの防水・防塵(じん)に対応しており、バッテリーも4800mAhと大容量だ。ディスプレイは6.5型で、最大90Hzのリフレッシュレートに対応する。背面に搭載したカメラは、メインのセンサーが4800万画素。エントリーモデルながら、ミドルレンジモデルに近い性能を持ち、コストパフォーマンスの高さに定評のあるXiaomiの本領を発揮した端末といえる。
2021年におサイフケータイへの対応を始めたXiaomiだが、Redmi Note 10 JEはその取り組みを一歩進め、日本専用モデルとして開発された。Xiaomiで東アジア担当ゼネラルマネジャーを務めるスティーブン・ワン氏は、「KDDIとタッグを組むのは2回目だが、今回は非常に戦略的なアプローチで、両社が協力しながらカスタマイゼーションを進めてきた」と語る。そんなワン氏に、Redmi Note 10 JEを開発した経緯や狙いをグループインタビューで聞いた。
防水・防塵への対応が最も大きなカスタマイズ
―― まず、Redmi Note 10 JEと6月に発売になった「Mi 11 Lite 5G」の違いから伺えればと思います。Mi 11 Lite 5Gはグローバルモデルの中にFeliCaを入れた端末ですが、Redmi Note 10 JEは作り方が違うのでしょうか。
ワン氏 Redmi Note 10 JEの開発は、Mi 11 Lite 5Gよりも深いものといえます。Mi 11 Lite 5Gはグローバルで共通のモデルがありますが、Redmi Note 10 JEは「Japan Edition」の名前の通り、日本専用モデルです。実際、Redmi Note 10 JEは「Redmi Note 10 5G」をベースにしつつ、かなり大きな変更を加えています。最大の変更は防水・防塵で、これを入れるためにデバイスのアーキテクチャ全体を変えることになりました。最も大きなカスタマイズがここです。
また、Snapdragon 480 5Gも、日本市場に求められるものは何かという観点で選択しています。グローバルのSKUの中にあるものではなく、日本市場に何が必要かという基準で選んでいます。このような経緯もあり、今回の開発はかなり踏み込んでコストもかけています。開発には100億円ほどを投入してきました。
―― 昨年(2020年)KDDIから発売されたのは、「Mi 10 Lite 5G」でした。今回はなぜRedmiシリーズだったのでしょうか。
ワン氏 ご指摘の通りですが、今年(2021年)はRedmiにスイッチしました。Xiaomiは非常に広範なデバイスやテクノロジーの中から、適切なものを選択して提供できる立場にあります。そういった中で、キャリアが戦略的な目標を達成するために最も有益なモデルを選択できるよう協議をした上で決定しています。Mi 10 Lite 5Gは当時の日本のマーケットで最もお求めやすく、費用対効果の高い5Gデバイスという位置付けでしたが、今回も方向性は変わっていません。
Xiaomiは事業全体の哲学として、これまでは高価格帯の製品でしか使えなかったテクノロジーをあらゆる人に提供することを志向しています。この哲学に基づいて展開を広げてきた結果、現在、世界2位のポジションにつけています。5Gをあらゆる人の手に、お求めやすい価格で提供するということは、キャリアの戦略とも合致していました。そのような判断があり、今回はRedmi Note 10 JEが選ばれています。
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