「高品質×低価格」で攻めるXiaomi 日本に「Mi Note 10」を投入する狙いは?(1/2 ページ)
中国Xiaomi(シャオミ)が日本市場にスマートフォンを投入する。1億800万画素カメラを搭載した「Mi Note 10」と「Mi Note 10 Pro」を12月16日から順次発売する。Mi Note 10シリーズの特徴とは? なぜこのタイミングで日本参入を決めたのか?
中国Xiaomi(シャオミ)のスマートフォン日本参入が正式に発表された。同社は1億800万画素カメラを搭載した「Mi Note 10」と「Mi Note 10 Pro」を12月16日から順次発売する。Xiaomi製品の特徴とは? またなぜこのタイミングで日本参入を決めたのか? 12月9日の発表会で、東アジア地域のゼネラルマネジャーのスティーブン・ワン(Steven Wang)氏が語った。
「素晴らしい製品を公正な価格」で提供すべく、原価に近い価格に
「素晴らしい製品を公正な価格で」というXiaomiの戦略は、「イノベーション」「デザイン」「品質」「適正な価格」という4つの要素に分解される。
イノベーションについては、スライド式のインカメラを搭載する5Gスマートフォン「Mi MIX3 5G」や、裏側までディスプレイで覆われた画面占有率約180.6%の「Mi MIX Alpha」といった新機軸のモデルを海外で発表。Mi MIX Alphaは、発表会でディスプレイ越しではあるが、9日の発表会場で参考展示された。
デザインについては、スマートフォンから白物家電まで、一目で「Xiaomiの製品だ」と分かるように努め、その統一したデザイン言語を「Mi-Look」と名付けている。同社の製品は日本のグッドデザイン賞を始め、400以上のインダストリアルデザイン賞を取っているという。
Xiaomiが最も重要視するのが品質だが、そこと表裏一体の関係にあるのが価格だ。「品質が低いと、ユーザーは戻ってきてくれない。金額に見合った価値を提供する」とワン氏。実際、Mi Note 10は5万2800円(税別、以下同)、Mi Note 10 Proは6万4800円と、各種スペックを考えると「安い」価格帯といえる。同時発表したスマートバンドの「Mi スマートバンド 4」は3490円とこちらも安い。ワン氏によると、2018年からXiaomiのハードウェア事業全体の純利益は5%を超えておらず、「ほとんど原価と同じような価格」だという。
ではどこで利益を上げるのか? 「Xiaomiはネット企業なので、インターネットサービスで収益を得ている。(商品群の)スケールがあるので、1つ1つの商品だけでなくても(スケールメリットを生かして)利益を出せる」とワン氏は話す。
この他、1万mAhの18W急速充電対応モバイルバッテリー「Mi パワーバンク3」や、IoT家電操作用の「Mi Home」アプリを使ってスマホから遠隔操作できるWi-Fi対応の炊飯器「Mi IH炊飯器」、家電とは趣が異なるが「メタルキャリーオンスーツケース」も年内に日本で発売する予定。
Xiaomiのブランドは「ファンがけん引している」とワン氏が言うように、ファンの存在も重視する。Xiaomi JapanのTwitterアカウントは既に600万以上のインプレッションを獲得した他、Mi MIX Alpha発表会のライブ配信は日本が世界でトップ5の視聴数だったという。このようにXiaomiのファンを増やし、スマホ以外の製品も購入してもらうことで、ブランド認知が向上してスケールメリットの拡大につながることが期待される。
カメラに注力したMi Note 10で「スマホ撮影の新時代を定義する」
それでもスマートフォンがXiaomiの中核製品の1つに位置付けられるのは間違いない。同社が「スマホ撮影の新時代を定義する」と銘打つモデルとして投入するのが、Mi Note 10とMi Note 10 Proだ。両モデルとも、1億800万画素の5眼カメラを背面に搭載。1億800万画素の広角(標準)カメラに加え、10倍ハイブリッドズームに対応した500万画素の5倍望遠カメラ、2倍の光学ズームに対応した1200万画素の望遠カメラ、焦点距離13mm、2000万画素の超広角カメラ、2cm〜10cmの撮影に対応したマクロカメラという構成だ。
1億800万画素は1/1.33型という大型センサーの恩恵もあり、「細部まで鮮明に撮影できる」とワン氏はアピールする。人物の作例をトリミングしただけでも、「まゆげやまつげなどのディテールがそのまま再現される」とワン氏。また、Mi Note 10 ProはMi Note 10の7枚に対し、8枚のレンズを搭載しており、より鮮明な撮影ができるという。
1200万画素の望遠カメラでは、自然なポートレート撮影ができるとする。2000万画素の超広角レンズは、景色を撮るのに最適で、より多くの情報を加えて、インパクトのある写真を撮れるとワン氏はアピールする。ズーム域は超広角の0.6倍から、デジタルズームの50倍までをカバーする。ハイブリッドズームによって10倍までは画質劣化を抑えた撮影が可能だとし、遠くから撮影した街中の写真を10倍に拡大しても、看板の文字まで鮮明に分かることをワン氏は紹介した。
競合メーカーも強化している暗所での撮影性能については、1億800万画素カメラと500万画素の望遠カメラに搭載した光学式手ブレ補正、4つの画素を1画素として処理することでより多くの光量を確保する「4-in-1 ピクセルビニング」により、最大2700万画素でローライト撮影ができる。さらに、連写した複数の写真を合成することで、鮮明な夜景が撮れるという「ナイトモード2.0」も用意した。
動画撮影については、AIを活用した手ブレ補正(“ShootSteady ビデオテクノロジー”と呼んでいる)をサポートしており、960fpsのスローモーション動画や4K動画を撮影できる。さらに、シネマ風のエフェクトを加えた「Vlog」モードも利用できる。
Xiaomi独自の操作法として「MIUI」を採用しているのも特徴だ。最新の「MIUI 11」では、黒を基調とした配色のダークモード、有機ELを生かした通知等の常時表示、画面上にライトのように点灯させる通知、曜日ごとに設定可能な、自然の音を用いたアラーム音、2000社以上のプリンタに対応したワイヤレス印刷――などをワン氏は主な特徴に挙げた。
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