Xiaomiの上陸で日本のスマホ市場はどう変わるのか?:山根康宏の中国携帯最新事情(1/2 ページ)
中国のXiaomiがいよいよ日本に上陸する。Xiaomiのスマートフォンは主に「Mi」「MiMIX」「RedMi」の3ラインに分かれており、直近では1億画素カメラを搭載した「Mi Note 10」が大きな話題を集めている。同社は分離プランが義務化されたことをチャンスと捉えているようだ。
海外のメジャーメーカーの中で日本に進出していなかった中国のXiaomi(シャオミ)が、いよいよやってくる。低価格・高性能モデルの投入で瞬く間にグローバル市場で存在感を示す存在になり、今では新興国のみならず欧州など先進国にもスマートフォンやIoT製品を投入しているXiaomi。そのXiaomiが日本に来ることで、日本のスマートフォン市場はどんな変化をもたらすのだろうか。
1億画素カメラの衝撃、カメラフォンとして話題を奪う?
Xiaomiのスマートフォンは主に「Mi」「MiMIX」「RedMi」の3ラインに分かれている。Miシリーズはいわずと知れた「ハイエンド・コスパ」モデルで、最新の「Mi 9 Pro 5G」は5G対応、Snapdragon 855+を搭載しながら3699元(約5万8000円)という価格を実現している。このMiシリーズにはディスプレイサイズを大型化した「Mi Note」もある。ただし中国向けにはカメラ機能重視の「CC」シリーズもあり、1億画素カメラ搭載のモデルは中国向けが「CC9 Pro」、グローバルでは「Mi Note 10/Pro」にモデル名を変えている。
Mi MIXはイノベーション重視のモデルで、当初はベゼルレス端末を次々とリリースした後、最近ではXiaomi初の5G対応かつ本体をスライドボディーにした「Mi MIX 3 5G」などをリリース。さらには側面から裏までを覆うディスプレイを搭載した「Mi MIX Alpha」もこのMIXシリーズだ。
そしてRedMiシリーズは低価格を売りにしたモデルで、最新の「RedMi Note8」はSnapdragon 665、4800万画素カメラを含むクアッド(4)カメラ、6.3型ディスプレイで999元(約1万5600円)という驚異の価格を誇る。インドなど新興国ではこのRedMiシリーズがXiaomiのシェアを伸ばしている。
この他にもグローバルにはAndroid One端末の「A」シリーズがあるなど、Xiaomiの製品ラインアップは多岐にわたる。そしてそれらのモデルの中から各国市場に向いた製品を投入しているのだ。先進国と新興国では売れ筋モデルは異なるし、端末の販売形態も国によって異なる。例えば日本と韓国は同じアジアの他国と市場構造が全く異なる。Xiaomiの日本進出も他の国とは異なる展開が必要とされるだろう。
これまで展開してきた多くの国で、Xiaomiは「低価格モデル」として話題を集め、そこから製品を縦方向に展開することで販売数を伸ばしている。とはいえXiaomi以外にもコストパフォーマンスに優れた製品は増えており、価格だけで消費者の目を引き付けることは難しい。欧州ではOPPOも各国に展開しており、カメラ性能と本体デザインの良さで人気を高めている。また価格に敏感な層はメーカーやブランドへのロイヤリティーは低い。
1億画素カメラ搭載の「Mi Note 10」シリーズは今後、Xiaomiが先進国でも存在感を高めるために投入した戦略的モデルといえる。スマートフォンのカメラ画質は今や4800万画素クラスは当たり前になっており、トリプルカメラ、クアッドカメラといったカメラの数でも差別化は難しくなっている。もはや低価格なスマートフォンでもそれなりの絵が撮れる時代であり、スペック表に数字を羅列しても差別化はしにくい。
しかし「1億」という数字はこれまでになかったものであり、他社との違いを明確にアピールできる。これまで得ることのできなかった写真を撮影できるとなれば、多くの消費者は興味を持つに違いない。またLeica(ライカ)とのコラボでカメラフォンメーカーとしての地位を確立したHuaweiに対しても、真っ向から勝負を挑むことができる。既に参入している国では「格安スマホメーカー」のイメージから脱皮することができるだろうし、日本市場などこれから参入する国では「Huaweiを超えるカメラスマホ」として認知してもらえるはずだ。
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