中国LenovoがFCNTの資産を継承 新会社を通して「arrows」「らくらくスマートフォン」を継続へ
中国Lenovoが、新会社を通してFCNT(旧富士通コネクテッドテクノロジーズ)からプロダクト事業とサービス事業を継承した。旧社が開発/製造した端末についても、順次サポートを再開する予定だという。
中国Lenovoは9月29日(日本時間)、FCNT(旧富士通コネクテッドテクノロジーズ:以下「旧FCNT」)のプロダクト(携帯電話端末)事業とサービス事業を継承したことを発表した。今後、「arrows」「らくらくスマートフォン」といった製品は、Lenovo出資の新会社を通して提供されることになる。
事業継承の経緯と概要
旧FCNTは、5月30日付で東京地方裁判所に対して民事再生法の適用を申請し、事実上の経営破綻状態となった。
この発表時点では、同社のサービス事業(ユーザー向けのポータルサイト)の支援企業は決まっていた一方で、肝心のプロダクト(携帯電話端末関連)事業の支援企業は決まっていなかった。
また、同時に民事再生法の適用を申請した兄弟会社のジャパン・イーエム・ソリューションズ(JEMS)にも支援企業が付いたものの、旧FCNT製携帯電話の製造/修理事業は支援の対象外とされたため、製造/サポートを引き受ける“受け皿”も探す必要が生じた。
今回、Lenovoは「FCNT合同会社(新FCNT)」を新設した上で、旧FCNTからプロダクト事業とサービス事業をまとめて継承する。社長は、旧FCNTから引き続き田中典尚氏が務める。
新FCNTは携帯電話端末の修理サポート事業も行うこととなっており、旧FCNT製端末の修理やソフトウェア更新(OSバージョンアップを含む)についても、順次再開していく予定だという。
なお、新FCNTはLenovoのモバイルビジネスグループの傘下に入る。同グループには既に米国に本拠を構える「Motorola Mobility(モトローラ・モビリティ)」が存在し、日本市場でも日本法人(モトローラ・モビリティ・ジャパン)を通して製品を販売している。
Lenovoは「FCNT」「Motorola」のブランドを生かして、日本における携帯電話端末市場での地位を高めていく方針だ。新FCNTも、Lenovoグループの規模のメリットを生かして高品質かつ信頼性の高い製品やサービスを提供していくという。
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