IOWNの低遅延はどれだけ“リアルタイム”なのか 「IOWN WEEK」イベントで見えた実力(3/3 ページ)
NTTグループ(日本電信電話、東日本電信電話、NTTドコモ)、東急不動産は次世代通信構想「IOWN」の技術を使ったイベント「IOWN WEEK」を東京・渋谷で開催した。対象は事前に招待された関係者や報道陣。3社が6月7日に合意した「IOWN 構想に関連した技術・サービスなどを活用した新たなまちづくりに向けた協業」に関する最初の取り組みとなる。
IOWNの脱ガラパゴス化に欠かせないことは
NTTが、IOWNを武器に技術力や、それによって生まれる価値を世界に知らしめるためには、スマートフォンでiPhoneに先を越され、世界戦略で勝てなかった「iモード」の“ガラパゴス化”と同じ轍(てつ)を踏んではならないはずだ。
世界のプレイヤーとともにIOWN構想の実現に向けて、NTTはさまざまな企業にフィードバックをもらいながらグローバルパートナーとIOWNを推進していく。具体的にはNTTが米Intel、ソニーと設立した「IOWN Global Forum」に参画した企業同士が活用事例を共有するなどして、IOWNの国際標準化を目指す。川添副社長は「137社がわれわれとともに新しい世界を作ろうとしている」と自信を見せた上で、渋谷が都市として世界で初めてIOWN Global Forumに参画したこともアピールした。
NTTグループ(日本電信電話、東日本電信電話、NTTドコモ)、東急不動産はオフィスフロアとイベントスペースに対し、APN IOWN 1.0を活用した高速・低遅延な通信環境を提供するとともに、ネットワークに限らずIOWNサービスも広域渋谷圏へ世界で初めて導入することを検討している。
東急不動産ホールディングス 代表取締役の植村仁氏は、流行や最先端の街として取り上げられることの多い渋谷を「クリエイターが集う文化創造発信地でもある」とし、「渋谷の街全体にIOWNが導入されれば、クリエイターやアーティストがさらに集まり、多様性のある感性の高い人々がつながることで、優れたカルチャーやコンテンツが渋谷を起点に誕生し、あらゆる人をひきつける街へ進化する」とIOWNの重要性を語った。
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