PayPayオフライン決済の上限額、1回5000円→5万円に変更 「ユーザーの利用状況を踏まえた判断」と広報
PayPayは12月18日、オフラインでも決済が可能な「オフライン支払いモード」の決済上限額などを変更した。オフライン支払いモードはスマートフォンが圏外などでも使える。PayPayはユーザーの利用状況を踏まえ、上限額などの変更に踏み切った。
PayPayは12月18日、オフラインでも決済が可能な「オフライン支払いモード」の決済上限額などを変更した。オフライン支払いモードはスマートフォンが圏外などでも使える。PayPayはユーザーの利用状況を踏まえ、上限額などの変更に踏み切った。
コード決済サービスは、モバイル回線やWi-Fiなどを用いてインターネットに接続した状態でなければ、基本的に決済を行えない仕組みだが、PayPayはスマートフォンが圏外や通信しづらくても決済できるようにした。オフライン支払いモードはユーザーの決済画面を店舗側が読み取る「ストアスキャン方式」の加盟店でのみ利用できるが、その際、店舗側の決済端末がオンラインでなければならない。
今回の変更内容は1回当たりの決済上限額と決済回数の上限となる。具体的な内容は次の通り。
- 1回:5000円→5万円
- 過去24時間:2回→5回
- 過去30日間:10回→変更なし
変更に踏み切った理由を同社広報は次のように説明している。「オフラインモードで決済される回数が1日約10万件と大変多くの方が利用している。さらにユーザーの利用状況を見たところ、5000円上限によりオフラインモードでの支払いが失敗しているケースが多いため、ユーザー利便性を向上させるため変更することになった」
通信障害などで通信できない、通信しづらい状況になると、コード決済サービスも利用できなくなり、電話やメール、SNSだけでなく、コード決済サービスを使った買い物もできなくなる。オフライン支払いモードの導入までは複数回線を持つことでそうした事態に備えることができたものの、災害などで全社の通信サービスが使えない場合は有効な対策にはならない。
2018年10月のサービス開始から5年で、国内コード決済市場のシェアを約7割を占めるまでに成長したPayPayは、“インフラと化した”コード決済サービスの役割を重視し、ユーザーの利便性向上に努める様子が見て取れる。特に2023年1月以降、NTTドコモで通信品質の著しい低下が目立ち、渋谷や新宿などの繁華街でつながりづらくなっていることが、オフライン支払いモードの利用を後押ししているようだ。
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