Beeper、“Appleとのいたちごっこ”からの降板宣言 FTCは「精査する予定」
Androidから青いフキダシで「iMessage」に参加できるアプリ「Beeper Mini」の開発元が、“Appleとのいたちごっこ”から抜けると宣言した。米連邦取引委員会はこの発表直後、「プライバシーやセキュリティを反競争的行為の口実にすることは拒否する」と語った。
米Beeperは12月21日(現地時間)、Android端末で米Appleの「iMessage」を使えるモバイルアプリ「Beeper Mini」での“大企業とのいたちごっこ”は持続不可能であるとし、同日リリースしたアップデートがAppleにブロックされた場合、さらなるアップデートはしないと発表した。
「2024年は、最高のチャットアプリを構築するという長期目標に立ち戻る」という。Beeperの「Beeper Cloud」は、X、Slack、Messengerなどを横断するチャットを可能にするサービスだ。
Beeper Miniは、同社が4日にGoogle Playストアで公開したアプリ。リバースエンジニアリングで手に入れた技術で、AndroidからでもiMessageユーザーとのやりとりでファイルの添付や既読表示、青いフキダシなど、iPhoneユーザーとほぼ同等の機能が使えるというものだった。
その後、Appleがブロックし、それをBeeperがアプリのアップデートで回避するといういたちごっこを何度か繰り返したが、Beeperが降板宣言したかたちだ。
Beeperのエリック・ミギコフスキーCEOは公式ブログで、Beeper MiniでiMessageに接続するために開発した最新のコードをすべてGitHubでオープンソース化したと語った。
ミギコフスキー氏はブログで、AppleがiMessageのAndroidアプリをリリースしないことや、サードパーティアプリをブロックすることについて、問題点を挙げて説明した。AppleがAndroidアプリをリリースしないのは「AndroidでiMessageが使えるようになれば、iPhone販売の利益が減るかもしれないからだ」という。「Appleは自社製品に対してもっと自信を持ってほしい」。
Beeperのこのブログが公開された数時間後、米連邦取引委員会(FTC)は「相互運用性、プライバシー、セキュリティ」と題する公式ブログを公開した。
このブログでは具体的な企業名は挙げていないが、企業は「自社製品とサードパーティ製品との相互運用を拒否する理由として、プライバシーやセキュリティ上の理由を主張することがある」と指摘した。そうした主張が「反競争的行為の単なる口実だと判明した場合は拒否されるべき」としている。
これは、AppleによるBeeper Miniのブロックについて近く調査するという予告の可能性がある。
ミキゴフスキー氏はXで、FTCのブログへのリンクを添えて「FTCがチャットに参加した」とポストした。
22日付の米The New York Timesの記事によると、米司法省もこの件について調査を開始したという。
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