Android端末で「iMessage」のフリができる「Beeper Mini」、Google Playに登場
Googleの公式Androidアプリストアで、AndroidからiMessageにメッセージを送ってもフキダシが緑にならないアプリ「Beeper Mini」が公開された。Apple IDは不要で、メッセージはE2EE。月額1.99ドルのサブスク制だ。
米Googleの公式AndroidアプリストアGoogle Playストアに12月4日、「iPhoneの友人とチャットするために設計されたフル機能のチャットアプリ」を謳うアプリ「Beeper Mini」が登場した。インストール後、1週間は無料で使えるが、その後は月額1.99ドルのサブスクリプション制になる。
米国では特に若者の間で、AndroidユーザーがiPhoneユーザーにメッセージを送ると、iPhoneのメッセージングアプリ「iMessage」でフキダシが本来の青ではなく緑で表示されてしまうことで差別される問題があるという。Beeper MiniでiPhoneユーザーにメッセージを送ると、Androidの電話番号のままiMessageのグループチャットに参加でき、フキダシが緑になることもない。
また、Apple IDは不要だが、オプションでApple IDにログインしてApple IDからの送受信を有効にすることもできる。
開発元の米新興企業Beeperによると、フキダシが青くなるだけでなく、メッセージがエンドツーエンドで暗号化され、送受信速度も速いという。
また、最近発表されたがプライバシーの問題を指摘されて公開延期になっている英Nothing Technologyの「Nothing Chats」と異なり、外部サーバを使わないスタンドアロンのアプリだ。
高解像度の画像と動画、音声の送受信もでき、既読ステータスもサポートする。
Beeperのエリック・ミギコフスキーCEOは米The Vergeのインタビューで、このアプリを開発するために「iPhoneをジェイルブレイクし、OSの奥深くまで潜って機能を確認した」と語った。米Appleがこのアプリを黙認するかどうか不明だが、ミギコフスキー氏は法的には問題ないはずだと語った。
米Googleは数年前からAppleに対し、メッセージングシステムでのRCSを採用するよう働きかけており、その理由の1つとして緑のフキダシ問題を挙げている。
Appleは最近、2024年にRCSを採用する計画を発表したが、iMessageは現状のまま存続させるとしており、緑のフキダシ問題は残る見込みだ。
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