日本通信、5分かけ放題を月額390円で提供 「キャンペーンなしでこのお値段です」と同社
日本通信は2024年3月1日から、小容量(1GB)プラン「合理的シンプル290プラン」を対象に、5分かけ放題オプションを月額390円で提供する。合理的をうたう料金プランで基本的なオプションサービスがそろった。「キャンペーンなしでこのお値段です」と同社は強調している。
日本通信は2024年3月1日から、小容量(1GB)プラン「合理的シンプル290プラン」を対象に、5分かけ放題オプションを月額390円(税込み、以下同)で提供する。合理的をうたう料金プランで基本的なオプションサービスがそろった。
あわせて、70分の無料通話オプションの月額料金を、現行の月額700円から月額390円に値下した。既に同オプションを利用している人は、同日から自動適用となる。
この安さを日本通信は、「日本通信SIMのプランをベースに、他社のプランと比較してみてください」とした上で、「日本通信SIMはキャンペーンなしで、このお値段です」とアピールしている。
実際に競合他社のIIJmioのかけ放題オプションと比べてみると、5分かけ放題オプションについてはIIJmioの月額500円より110円安い。NUROモバイルの同オプションと比べても100円安い。
日本通信SIMの通話サービスは、MVNOの多くが採用しているプレフィックス方式ではなく、MNOと同じVoLTE/VoLTE(HD+)による高音質な通話が可能だ。
この他、MNOのオンライン専用ブランドではあまり提供されていない留守番電話やキャッチホン、転送サービスも「充実している」(同社)としている。このため、日本通信SIMはデータ通信のみならず、音声通話を重視する方にも「最適な選択肢」だという。
低廉な音声サービス提供に至るまでの流れ
日本通信は2019年11月15日に、回線設備提供元であるNTTドコモとの協議が進まないことを受け、総務大臣の裁定を求める申請を行い、音声通話サービスの卸提供の料金見直しや、かけ放題オプションなどのプランを卸に加えるを求めていた。
2020年2月4日には、総務省が裁定案を電気通信紛争処理委員会に諮問。卸価格を原価に適正な利潤を加えた額に設定するよう求めたが、定額プラン、準定額プランの提供は却下された。その後、卸提供の料金見直しについて、総務大臣が両社の意見を聴取し、6月30日に正式に裁定を行った。
2021年2月2日には、日本通信とドコモが進めていた音声通話卸役務(卸提供を受ける音声通話サービス)の料金に関する協議に関し、2月1日付で合意に至った。これにより、低廉な音声サービスを提供する環境が整いつつあった。
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