Huawei待望のカメラフォン「Pura 70 Ultra」に注目 20万円超えでも「欲しい」と思える仕上がり:山根康宏の海外モバイル探訪記
2024年4月に発表された「Pura 70」シリーズは堂々と「Kirin 9010」搭載の名機。Huawei子会社HiSilicon開発のプロセッサ、Kirinシリーズの最新モデルが採用されています。カメラはDXOMARKで早速1位になっており、登場時点で全スマートフォンの中で最高峰の性能を誇ります。
Huaweiのスマートフォンはこの1~2年で復活が始まっており、2023年8月に発表した「Mate 60」シリーズは中国国内で大ヒット、iPhoneの売り上げに大きな影響を与えたといわれています。カメラ性能に優れている一方、米国政府からの制裁の影響からか、プロセッサは不明のままで発売されました。
しかし2024年4月に発表された「Pura 70」シリーズは堂々と「Kirin 9010」搭載の名機。Huawei子会社HiSilicon開発のプロセッサ、Kirinシリーズの最新モデルが採用されています。
Pura 70シリーズは「Pura 70」「Pura 70 Pro」「Pura 70 Pro+」「Pura 70 Ultra」の4モデルが登場。しかもグローバルでも販売されており、Pura 70 Pro+以外の3モデルがリリースされています。ちなみにこのPuraの名称は2023年までのPシリーズであり、今後Huaweiの製品展開は「Pura」「Mate」「nova」という3つのシリーズになるわけです。
最上位モデルのPura 70 Ultraは6.8型ディスプレイを最新のKunlun Glassでカバー。同ガラスはゴリラガラスよりも強固ともいわれるHuawei独自開発のカバーガラスです。バッテリーは5200mAhで100Wの急速充電にも対応します。価格は9999元(約22万円)です。
本体サイズは75.1(幅)162.6(高さ)×8.4(奥行き)mm、226gと一般的。カメラ部分の出っ張りはやや高めとはいえ、気になるほどではないでしょう。Huaweiは1年前に発売した「P60」シリーズからカメラデザインに特徴を持たせていますが、Pura 70シリーズではさらにアイコニックな形状に進化させています。
本体カラーは緑、黒、茶、白の4色で、ヴィーガンレザーに模様を施した高級感あふれる仕上げにしています。カバーをつける必要がないと思えるほど仕上げはよく、落下に備えて四隅だけを保護するケースがあってもいいかもしれません。
カメラはフランスの評価機関、DXOMARKで早速1位になっており、登場時点で全スマートフォンの中で最高峰の性能を誇ります。メインカメラは5000万画素1型センサー、カメラをオンにすると収縮式のレンズがわずかに伸びます。絞りはもちろんF1.4からF4.0までの可変式。超広角が4000万画素、望遠は3.5倍で5000万画素です。
販売店にある撮影でもブースでいくつかカメラを試してみましたが、確かに他社のスマートフォンをはるかに超える性能だと感じました。例えばこのデモは回転する円盤を撮影、AI補正によりしっかりとブレのない写真が撮れています。例えば列車が移動している姿を撮るときや、鳥がゆっくり羽ばたいているときも、ブレることなく撮影できるわけです。
マクロも強力で、繊維までも写せてしまいます。他にも3.5倍を使ったポートレート撮影ではAIによる背景ボケが美しく、特殊フィルターを使ったのではないかと思えるほどの写真が撮れました。
5Gへの対応は明記されておらず、グローバルモデルは4Gモデルとして販売されています。一方中国モデルは5Gに対応しているとのこと。さらに中国モデルは衛星通信を使った画像送信にも対応。高圧縮ファイルになるようですが、緊急時に周りの風景を送るといったことも可能です。
価格はかなりするものの、実際に実機を触ってみると価格相応であり最強のカメラフォンとして欲しいと感じられました。今後は「Mate」や「nova」シリーズにもKirin 9010が搭載されるかもしれず、2024年のHuaweiのスマートフォンはかなり面白い存在になりそうです。
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