KDDIとローソンの提携で「ギガ」「クーポン」「ポイント」がお得に カギを握るpovoとPontaパス:石野純也のMobile Eye(2/3 ページ)
KDDI、三菱商事、ローソンの3社は、9月18日に「未来のコンビニ」のコンセプトを披露した。三菱商事とともにローソンの親会社となったKDDIは、AIサイネージや配送、品出しなどの店舗業務最適化などを行っていく。一方で、通信サービスのユーザー基盤を生かし、ローソンへの送客を行っていくのもKDDIの役割だ。
来店ごとに100MBをプレゼント、ギガとトッピングで送客を図る
過去に本連載でも触れたように、povoはホワイトレーベル化し、他社のサービスに溶け込むことで普及を図ろうとしている。SDKをパートナーに公開し、専用のトッピングなども用意できるようにしていく。これが、povo3.0のコンセプトだ。9月に開催されたKDDI SUMMITでは、Abemaや富士ソフト、ワイヤ・アンド・ワイヤレスの名前が挙がっていが、ここに傘下に収めたローソンも加わることになる。
とはいえ、単にeSIMを販売しているだけだと、ローソンへの送客効果は限定的になる。その解決策としてKDDIが導入するのが、「povo Data Oasis」という仕組みだ。ユーザーがローソンに行き、povo shopにアクセスしたあと、ボタンを押すだけで1回につき100MBがチャージされる。料金は無料。1カ月にチャージできる回数は10回まで。ローソンに10回行くだけで、計1GBのデータ容量が手に入るというわけだ。
高橋氏は、「そこでチャージしたら何かものを買わないと申し訳ないとなるのではないか。ぜひともローソンでお買い物をしていただければ」と語る。これは、来店を促すための仕組みとして、povoのデータ容量をプレゼントしているということ。au PAYでの決済を条件にしていた「ギガ活」に近いが、それよりも簡易で手間が少ない。共同経営するローソンを盛り上げるため、大盤振る舞いしている様子がうかがえる。
実際、100MBをもらった後、ローソンでの買い物を促す仕掛けも用意されている。それがトッピングだ。現状のpovoでも、ローソンの商品券やからあげクンをセットにしたトッピングを販売することがあるが、povo Data Oasisでも、それを展開。サンプルとして挙げられていた画面には、ソフトクリームやからあげクン、カフェラテなどとデータ容量がセットになったトッピングが組み込まれていた。
現状では、トッピングを購入した後、クーポンが届くまでにタイムラグが数日あるが、ローソン店内ですぐに買い物ができるよう、システムも改修していく方針だという。まず、povo Data Oasisが年内に開始され、その後、年度内にeSIMの販売を行っていく。ホワイトレーベル化を狙うpovoを活用し、サブ回線という位置付けを明確にすることで、auやUQ mobileだけなく、他社のユーザーもローソンに送客できる。povoの立ち位置をうまく生かしながら、ローソンとのシナジー効果を発揮する仕掛けを作り上げてきた格好だ。
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