廉価フラグシップ「Xiaomi 14T/14T Pro」発表 ライカ監修のカメラがさらに進化、Googleとの協業でAIも強化:石野純也のMobile Eye(1/3 ページ)
Xiaomiは、9月26日(現地時間)にドイツ・ベルリンで「Xiaomi 14T」「Xiaomi 14T Pro」を発表した。ライカ監修のカメラは、センサーサイズを大判化して画質を高めている。AIを活用した翻訳機能を備え、ボイスレコーダーが文字起こしにも対応した。
Xiaomiは、9月26日(現地時間)にドイツ・ベルリンで「Xiaomi 14T」「Xiaomi 14T Pro」を発表した。Tシリーズは、価格を抑えたフラグシップモデルという位置付けで、2023年の「Xiaomi 13T」はau、「Xiaomi 13T Pro」はソフトバンクとオープンマーケット(SIMフリー)で販売されてきた。2機種は、その後継機にあたる。
ドイツの老舗カメラメーカーであるライカとの協業で、撮影性能に磨きをかけてきたXiaomiだが、Xiaomi 14Tシリーズでもその機能が正統進化している。これに加え、同モデルからは“カメラ以外”のAI対応も加速させている。Googleとの協業も深まり、日本での導入に期待が高まる。ここでは、2機種の特徴とともに、XiaomiとGoogleのAIに対する取り組みを見ていこう。
廉価フラグシップのTシリーズ、欧州では0ユーロ販売も?
型番にTのつくXiaomiのスマホは、手に届きやすいフラグシップモデルという位置付けだ。日本でも5月に発売された「Xiaomi 14 Ultra」は正真正銘のフラグシップだが、これと比べると、機能面では省略されている部分もある。1型センサーや可変絞りといった機能が、それに当たる。
カメラに関しては、上位モデルのXiaomi 14T Proが、同社独自のカスタムセンサーである「Light Fusion 900」を搭載。これは、日本未発売の「Xiaomi 14」と同じで、センサーサイズは1/1.3型。Xiaomi 14Tには、ソニーの「IMX906」が採用された。2機種とも超広角と望遠カメラも備える。
最上位モデルよりやや性能を抑えているが、その分価格は安い。フラグシップという位置付けながら、Xiaomi 14T Proは799ユーロ(約12万9000円、9月27日時点のレート)、Xiaomi 14Tは649ユーロ(約10万5000円)。20万円に迫るXiaomi 14 Ultraと比べ、より“現実的”な価格設定になっていることが分かる。
発表会の開催された欧州では、キャリアが0ユーロで販売するケースもある。2年縛りがあったり、やや高額な料金プランに加入しなければならなかったりといった条件はあるが、販売価格を抑えやすいフラグシップモデルであることは間違いない。コストパフォーマンスのよさを売りにする、Xiaomiならではの端末といえる。
とはいえ、その機能は一般的なミッドレンジモデルを大きく上回る。プロセッサはXiaomi 14T ProがMediaTekの「Dimensity 9300+」、Xiaomi 14Tが「Dimensity 8300 ULTRA」で、どちらもメモリ(RAM)は12GB。ディスプレイのリフレッシュレートも最大144Hzと高い。
先代のXiaomi 13T Proは19分で100%まで充電可能な120Wの急速充電に対応しており、ソフトバンクは「神ジューデン」としてマーケティングしていたが、Xiaomi 14T Proもこれを継承。さらに、Xiaomi Tシリーズとして初めて最大50Wの急速ワイヤレス充電にも対応した。Xiaomi 14Tは67Wにとどまるが、それでも他社のフラグシップモデルと比べ、充電速度は速い。
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