無料通話の次は「対話型AI」だ 楽天グループが「Rakuten Link AI」で描く世界とは(2/3 ページ)
楽天モバイルが10月31日に「Rakuten Link」アプリのアップデート内容を発表した。対話型AIアシスタント「Rakuten Link AI」の実装により、Rakuten Linkアプリで悩み相談やアイデアサポートができるようになった。楽天モバイルはこの機能をAndroid向けに順次提供しており、iOS向けには近日中に提供する。
Rakuten Link AIは何ができるのか 実際に試して分かったこと
今回の発表内容の目玉はRakuten Link AIで、プライベートから仕事に至るまでのさまざまな相談を引き受けるのが大きな特徴だ。Rakuten LinkアプリのホームからRakuten Link AIのアイコンをタップすると、さまざまな質問にAIがチャット形式で回答する。
三木谷氏はRakuten Link AIを「仕事や相談相手になるし、自分では思いつかなかったアイデアをサポートしてくれる。旅行の計画を立ててくれる相棒のような存在でもある」と表現する。
例えば、「楽天モバイルが携帯市場の民主化って言っていたんだけど、どういう意味? 今までの携帯会社と何が違うのか簡潔に教えて」という質問に対し、Rakuten Link AIは「楽天モバイルが携帯市場の民主化という表現は、楽天モバイルが従来の携帯電話会社に比べて、より手頃で透明性のある料金プランを提供し、消費者に多くの選択肢を与えることで、通信サービスをよりアクセスしやすくすることを意味します」と回答。その上で、他キャリアとの主な違いを箇条書きにする。
「長野県産のリンゴを楽天市場で売りたい。大ヒットしそうなキャッチフレーズを5つ考えて」という要望に対しては、「長野の大地が育んだ、甘さとシャキッと感の極み」「一口で感じる、長野の自然の恵み」「果実の宝石、長野県産リンゴで毎日を特別に」「健康とおいしさを両立。長野のリンゴで元気をチャージ」「長野の恵み、あなたの食卓に。新鮮なリンゴをお届け」と回答した。
「1カ月の食費を8万円に抑えたい。家族は筋トレ中の40歳の旦那と食べ盛りの10歳の男の子。明日の献立を考えて」という要望に対しては、朝食に「オートミール」「ゆで卵」、昼食に「鶏むね肉のグリル」「サラダ」「玄米」、夕食に「豚肉と野菜の炒め物」「みそ汁」「ご飯」、おやつに「フルーツ」「ヨーグルト」がおすすめだと提示した上で、食費を抑えるポイントとして、まとめ買いをすることや、外食を避けて自炊をすることなどを提案した。
なお、1回のチャット数の入力上限は50回まで。1回の質問につき500文字まで入力できる。
楽天グループは生成AIのモデルや性能に関する具体的な指標は示さなかったが、ツァイ氏は「バックエンドで柔軟性を持った形でさまざまなモデルを選べる。ユーザーにとって最もベストなサービスを提供できるよう、遅延、コスト、パフォーマンスなどの要素を鑑みて、ユーザーにとってベストなモデルを提供する」と回答した。
Rakuten Link AIは楽天グループのさまざまなサービスとも連携
Rakuten Link AIのアピールポイントとして、ツァイ氏は「Rakuten最強プラン」の契約者ならRakuten Linkアプリ内で無料で利用できる点を挙げた。
「新しいアプリはダウンロードしたり、アカウントを新たに作成したりする必要はない。新しいユーザー名とパスワード、余分なサブスクションフィー(追加費用)も不要。複雑な手続きなしにRakuten LinkアプリからRakuten Link AIを使い始められ、生成AIを活用できる」(ツァイ氏)
Rakuten Link AIは、先の一例のようなやりとりだけでなく、楽天グループのさまざまなサービスとも連携する。例えば、「楽天市場でおすすめの和菓子」と入力すると、Rakuten Link AIが自動検索でいくつかおすすめの和菓子をピックアップする。「楽天トラベルでおすすめの旅館」という入力に対しては人気旅館を提案し、予約まで支援する。楽天ブックスで人気の本や興味のある本もすぐに提示する。
さらに、Rakuten Link AIで楽天モバイルのデータ使用量や請求など、楽天モバイルの契約内容をリアルタイムに回答し、ユーザーによる複雑な操作や検索は不要になる。回答には楽天グループが持つサービスとRakuten Linkアプリに関するよくある質問から得られた独自のデータベースを活用している。
Rakuten Linkは楽天グループのさまざまなサービスとの連携により、利便性がより向上しそうだ。Rakuten Link AIで買い物から旅行計画、その移動に欠かせないモバイル通信の詳細情報に至るまで、あらゆることを手助けしてくれる
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