物理キーボード搭載のiPhoneケース「Clicks」発売 実機を試して驚いた“完成度の高さ”(1/2 ページ)
英Clicks Technologyは12月3日、iPhoneに装着して物理キーボードとして使えるケース「Clicks」の日本展開を発表、Amazon.co.jpで販売を開始した。独自のショートカット機能を備えた本製品の実機を試用した。
英Clicks Technologyは12月3日、iPhoneに物理キーボードを搭載できるケース「Clicks」の日本展開を発表した。ティーガイアと提携し、同社初となるAmazonストア内の公式ストアをオープンした。
まずはiPhone 16 Pro/16 Pro Max向けモデルを展開する。iPhone 16 Pro向けは2万3870円、16 Pro Max向けは2万7280円(いずれも税込み)で販売する。iPhone 16とiPhone 16 Plus向けは12月下旬の発売を予定している。
BlackBerryの DNA を受け継ぐドリームチーム
Clicks Technologyは、Android向けのキーボード付きスマートフォンを手掛けたF(x) Technologyの創業者であるAdrian Li Mow Ching氏がCEOを務める。
BlackBerryでグローバルプロダクトマーケティングを担当していたJeff Gadway氏がCMOを務め、「CrackBerry Kevin」の愛称で知られるKevin Michaluk氏も参画するなど、物理キーボードへの造詣が深いメンバーで構成されている。
「モダンなスマートフォンは素晴らしい機能を持っていますが、ボタンがなくなったことで何かを失ったのではないか」とGadway氏。PCやタブレットでは当たり前に使われているキーボードを、iPhoneでも使えるようにしたいという思いから開発をスタートした。
100回の改良を重ねた“完璧な”キーボード
Clicksの特徴は、ソフトウェアキーボードが画面の約50%を占めるという課題を解決できる点だ。USB Type-C接続のため、バッテリーやBluetoothは不要。ケースに装着するだけで即座に利用できる。
キーボードは4段構成のQWERTY配列を採用。数字は専用キーを省略し、左下の「123」キーと最上段のQWERTYキーの同時押しで入力する仕組みだ。日本語入力にも対応しており、音引き(ー)は数字キーとAキーの組み合わせで入力可能。右下には音声入力キーも配置されている。
プロトタイプから製品化まで100回以上の改良を重ねたという入念な作り込みも特徴だ。キーの傾斜角度や押し心地、フィードバックなど、2024年における“完璧なタイピング体験”を目指して開発された。各iPhoneモデルに最適化された精密な設計も特徴で、iPhone 16とiPhone 16 Proでは別製品となっている。
2種類のショートカット機能
Clicksのショートカット機能は2つのタイプが用意されている。1つは、CommandキーやOptionキーを使用するiOS標準のキーボードショートカットだ。例えば「Command + H」でホーム画面に戻るなど、iPadやMacで使い慣れたショートカットがiPhoneでも使えるようになる。
もう1つが、Clicksキーと組み合わせて使用するClicks独自のショートカット機能だ。これはiOSの「ショートカット」アプリと連携しており、ユーザーが自由にアクションを割り当てることができる。例えば、特定の相手へのメッセージ作成画面を開く、スマートホームデバイスを操作する、特定のアプリを起動するなど、さまざまなアクションを設定可能だ。
発表会のデモでは、Clicksキーと特定のキーの組み合わせでスマートライトの点灯/消灯を操作したり、モーニングプレイリストを再生したりするデモンストレーションが行われた。「アクションボタンが1つしかないiPhoneに、カスタマイズ可能なアクションボタンを追加できる」というのが開発チームの狙いだという。
日本は世界のトップ5に入る重要な市場
2024年1月の発売以来、わずか10カ月で世界140カ国に展開し、累計販売台数は8万台を突破。興味深いことに、ユーザーの約40%が物理キーボードを初めて使用するという。
これまでは日本市場向けは個人輸入に頼っていたものの、「日本市場は世界のトップ5に入る重要な市場です」とCEOのLi Mow Ching氏は語る。「日本のお客さまは細部まで製品を見てくださる。そんな日本の方々に、私たちの考えるデザインと機能をお届けできることを誇りに思います」
日本ではAmazon.co.jpでiPhone 16 Pro/16 Pro Max向けモデルを先行して販売。他のiPhoneモデル向けは本国サイトでの購入となる。2025年に向けた新機能のロードマップも用意されており、独自の日本語入力ソフトウェアの開発も検討されているという。
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