新「Rakuten Link」の使い勝手を検証する AIアシスタントは便利だが、無料通話を実感しづらい理由(1/2 ページ)
楽天モバイルのコミュニケーションアプリといえば、RCS(リッチコミュニケーションサービス)を用いた「Rakuten Link」だ。国内通話がかけ放題となり、テキストや画像などでやりとりできる。対話型AIアシスタント「Rakuten Link AI」が実装されたが、無料通話を実感しづらくなっている。
楽天モバイルのコミュニケーションアプリといえば「Rakuten Link」だ。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの「+メッセージ」と同じように、SMS/MMSの進化形といえるRCS(リッチコミュニケーションサービス)を用いたサービスで、国内通話がかけ放題となり、テキストメッセージ、画像、ファイル、動画、ボイスメッセージが何度でも無料で送受信できるのが大きな特徴だ。
【訂正:2024年12月6日13時50分 初出時、「Rakuten Linkユーザー同士なら、国内通話がかけ放題」としていましたが、Rakuten Linkユーザー以外でも国内通話は無料です。おわびして訂正いたします。】
「Rakuten Link」は楽天モバイルのコミュニケーションアプリ。RCS(リッチコミュニケーションサービス)を用いたサービスで、テキストだけでなく画像や動画を利用したメッセージの送受信などが可能だ
そんなRakuten Linkの大きなアップデートとして、楽天モバイルが10月31日に発表したのが対話型AIアシスタント「Rakuten Link AI」の実装だ。これにより、Rakuten Linkユーザーはアプリで悩み相談をしたり、アイデアのサポートを受けたりできるようになった。
Rakuten Linkの大型アップデートとして、対話型AIアシスタント「Rakuten Link AI」が実装された。画像はRakuten Link AIの初期画面。利用規約を開いて、できることや注意点を確認できる。下部のテキストボックスにメッセージを入力すれば、いきなりやりとりを始められる
当初は電話、1対1のチャット、グループチャットを利用できるシンプルなツールだったRakuten Link。2020年6月にはAndroid向けアプリに「ニュース」と「ウォレット」機能が加わり、7月にはiOS向けアプリが登場し、Android向けアプリでビデオ通話が可能になった。2022年7月にはキャリアメールの「楽メール」が利用可能になった。
- →楽天モバイル正式サービス開始直前 「楽天Linkの使い勝手」と「エリアの広がり」を検証した
- →Rakuten Linkアプリに「ニュース」と「ウォレット」機能が追加
- →「Rakuten Link」のiOS向けアプリが登場
- →「Rakuten Link」でビデオ通話(β版)が可能に 楽天ユーザーのみ
- →楽天モバイルのキャリアメール、7月1日から提供 名前は「楽メール」
その後もアップデートを重ねるごとにRakuten Linkで利用できる機能が充実していくかたわらで、提供開始当初よりも複雑化してきた印象を受けなくもない。この記事ではRakuten LinkのAndroid向けアプリの使い勝手を検証するとともに、Rakuten Link AIを利用した雑感をお伝えしたい。
楽天ポイントのバーコードをすぐに出せる反面、「電話をかけづらくなった」点は否めず
まずはアプリの使い勝手から見ていく。ディスプレイの下部には左から順にメッセージ、通話、ホーム、楽メール、ウォレットのタブが並ぶ。各アイコンは各機能に素早くアクセスするためにある。
メッセージのタブは、SMSの送受信を行う他、やりとりの流れを把握できる。通話のタブでは、通話履歴、お気に入り、連絡先などを確認できる。ホームのタブでは、後述するRakuten Link AIにアクセスしたり、ニュースを確認したりできる。楽メールのタブでは、一般的なフリーメールのGmailなどと同じように、上から順に新しい内容が並び、縦にスクロールすれば古いものを確認できる。ウォレットのタブでは、「楽天ペイ」のバーコード、QRコード、楽天キャッシュ、楽天ポイントカードなどを表示できる。
これらの機能のうち、最も使いやすいと感じるのは、楽天ポイントカードをすぐに表示できる点。ウォレット→「楽天ポイントカード」の欄の「楽天ポイントカードを表示する」をタップすれば、ポイント用のバーコードを表示できる。Rakuten Linkと楽天ポイントのアプリをそれぞれインストールせずに済み、店頭での買い物の際にRakuten Linkだけでポイントを付与してもらえる。
ポイント用のバーコードを表示するまでの行程としてはアプリを起動し、ウォレットをタップして、「楽天ポイントカードを表示する」をタップするという3段階がある。もちろん、バーコードをすぐに呼び出せた方が便利ではあるが、アプリを別個に入れる必要がないのはいい。
ウォレットタブでは楽天ペイ、楽天ポイントなどにアクセスできる。QR/バーコードの表示や、ためた楽天ポイントの確認もできる。ポイントバーコードを表示するには、「楽天ポイントカードを表示する」をタップする
一方、何の機能がどこにあるのかが時々分からなくなる。やはり、これだけ多くの機能が1つのアプリに集約していると、いざ各機能を呼び出すときに戸惑う。慣れもあるだろうが、初心者にやさしいUIにしてほしい。
広告も気になる。ホームタブを開くと広告が大きく表示され、本来、ホームタブで何ができるのかが想起しづらい。メッセージタブにもときおり大きな広告が表示され、メッセージをすぐに送受信しづらい。通話タブの通話履歴の上も細い幅で横長の広告が表示されるが、それでも広告があることに変わりない。これらの広告を時々間違えてタップしてしまうことがある。広告主からすれば広告をタップさせることこそが狙いとはいえ、ユーザー体験を損なっているのも事実だ。
そして、最も困ったのは電話をかけづらくなった点だ。かつてRakuten Linkは起動後、電話に関する項目が最初に出てきていたが、アップデートに連れて前述した楽天グループの広告やニュースがホームに表示されるようになり、起動してすぐに電話をかけづらくなってしまった。これだと、せっかくの「通話無料」というメリットを実感しづらくなってしまう。
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