「Xiaomi 14 Ultra」「AQUOS R9 pro」徹底比較 “ライカのカメラ”性能はどちらに軍配が上がる?(2/3 ページ)
日本は「ライカ」を冠するスマートフォンが複数販売されている世界的に見ても異例の地域だ。今回は2024年5月に発売された「Xiaomi 14 Ultra」と同年12月に発売された「AQUOS R9 pro」を比較し、両者のカメラについて比較してみることにする。
撮影画質を比較 ハードウェアの差は出るが、雰囲気は意外と似ている
ここからはXiaomi 14 UltraとAQUOS R9 proで撮影した写真を見比べていこう。両者ともオートで撮影しているが、Xiaomi 14 Ultraは「Leica Vibrant」、AQUOS R9 proは「ナチュラル」の設定で撮影している。
同じライカを冠する機種ではあるが、Xiaomi 14 Ultraは明暗と色をはっきり出すダイナミックな描写に対し、AQUOS R9 proは見た目に近いチューニング。AQUOS R9 proの「見た目に近い」表現はスペクトルセンサーの恩恵を感じさせる。それでも、撮影した際の雰囲気は両者近いもので、ライカの名を感じさせられる。
【訂正:2025年2月18日10時10分 初出時、一部の作例写真にて、機種や画角に誤りがありました。おわびして訂正いたします。】
メインカメラは両者共に1型センサーを採用する。「自然なボケ感」では両者肩を並べるところにいるが、可変絞りといったメインカメラでできる表現はXiaomi 14 Ultraの方が優位。一方で「一発で目で見たような写り」を求めるなら、スペクトルセンサーを備えるAQUOS R9 proが優位な印象だった。
超広角カメラはどちらも5000万画素だが、AQUOSが換算13mmに対してXiaomiの方が換算12mmとより広角だ。基本性能の差もあるため、より広くきれいに収めたい場合はXiaomiの方が優れている。
望遠やテレマクロといったシチュエーションは、2つの望遠カメラを備えるXiaomi 14 Ultraが優位だ。特に本機種の3.2倍望遠カメラは、メインカメラから5倍望遠カメラまでの中間望遠として画質維持に加え、自然な円形ボケを演出できる。最短10センチまで被写体に寄れる点も魅力的だ。
これに加えて5倍望遠カメラも備え、2つの望遠カメラで標準域から10倍クラスの望遠域までしっかりカバーできる。Xiaomi 14 Ultraの望遠カメラは画質劣化に加え、異なる特徴の望遠カメラを備えて「使い分け」を見込んだ設計だと感じられる。
AQUOS R9 proも望遠カメラを備えたことで、以前よりも撮影の幅は大きく広がったものの、Xiaomi 14 Ultraとはまだ差があるように感じた。65mm相当の中望遠での写りは大型センサーゆえに目を見張るものがあるが、6倍の130mm相当になってくると差がはっきり出てくる。
テレマクロ撮影ができない点は仕方ないとしても、フォーカスの遅さや甘さ、ズーム時の引っ掛かりや画像処理といった部分で差が開けられているように感じた。この部分は次期モデルやソフトウェアアップデートでの改善を期待したい。
Xiaomi 14 Ultraは多彩な撮影モードも目を引く。Leica VibrantとLeica Authenticの2つのモードに加え、多種多様なフィルターを利用できる。スナップショット重視のファストショットモードもあり、秘めた撮影表現をより広げられる。
AQUOS R9 proも「ナチュラル」「ダイナミック」という2つの撮影モードを備えるなど進化したが、設定階層が深いのでシーンに応じて即切り替えはできない。また、Xiaomiがアピールするようなモノクロモードも備えない。ここは性能差と評価するよりも、より多くの表現が可能な多機能さを意識したXiaomiに対し、シンプルな操作系を重視したAQUOSという設計思想の違いも感じ取れる。
撮影体験では非常に悩ましいところ。AQUOS R9 proは物理的なシャッターボタンを本体に備える点こそ優位だが、その点はXiaomi 14 UltraもPhotography Kitを装着すればカバーできてしまう。
レンズフィルターの装着もAQUOS R9 proが別売アクセサリー使用で62mm径、Xiaomi 14 UltraがPhotography Kit使用で67mm径のものがそれぞれ使用できる。本体しか持ち歩かないのならシャッターボタンを備えるAQUOS R9 proが撮影体験で優位なのは間違いないが、Xiaomi 14 Ultraも多くのユーザーが「Photography Kitの使用が前提」なことを踏まえると、ここは引き分けとしたい。
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