懐かしのドコモケータイ「F503i」、雑誌付録で復活のワケ 着メロを子ども達がプログラミング(2/2 ページ)
懐かしのドコモケータイ「F503i」が雑誌付録でよみがえる。NTTドコモは2月16日、「NTTドコモ歴史展示スクエア」にて、フィーチャーフォン「F503i」を題材に、プログラミングを学べる体験型ワークショップを開催。家族とともに子どもの成長を支えるブランド「comotto(コモット)」の取り組みの一環となっている。
フィーチャーフォンが付録で復活を遂げたワケ comottoとの関連性は?
comottoは、ドコモが2023年2月28日に立ち上げたブランドで、「子どもの未来を、もっと。」をコンセプトに、さまざまな業界のパートナーとドコモの協創によって、子どもとその家族に学びや楽しさを提供している。
ドコモは、comottoの立ち上げ以前から、子育て世代を応援するサービスやプログラムを提供してきた。しかし、「デジタル化の進展などにより社会の不確実性が増す現代では、子どもの探求力など、未来を生き抜く力を養うことが重要だ」と考えている。
ドコモでコンシューマサービスカンパニー ライフスタイルイノベーション部 キッズサービス担当部長を務める戸田陽子氏は、ワークショップを開催した理由について、「comottoが学校だけでは教えてくれない、学びを提供するブランドである」ことを挙げる。
F503iを題材とした理由については、2025年現在となっては「身近なスマートフォンが誕生するまでに、さまざまな課程をへたことを知ってほしい」とし、「iアプリが搭載されたF503iが、2001年の発売当時、画期的な端末であった」ことに触れた。
「PCでは当たり前になっていたアプリをダウンロードし、趣味や趣向に応じて、いつでもどこでも楽しめる、そんな体験がコンパクトな携帯電話の本体にぎゅっと詰まった、というのは、当時の最新技術だった」(戸田氏)
ワークショップの中では紹介がなかったが、「ドコモはF503iの開発秘話をまとめた動画を、雑誌の発売後にcomottoのサイトで配信する」(戸田氏)という。同氏によると、どうすれば使いやすく、もっと楽しめるのかを、ドコモとメーカーの技術者が一緒に考えて作っていた、当時の携帯電話の存在を知ってほしいという思いもあるようだ。
ドコモとメーカーがともに企画した携帯電話。「らくらくホン」シリーズは長年継続されており、FCNTの代名詞となっているが、過去には松下通信や三菱電機も手掛けていた。らくらくホンとしての第1号機は1999年に発売された松下製の「P601es」だ(上段の左から2番目)
フィーチャーフォン全盛の時代では当たり前だった、数十機種を一挙発表の流れは、スマートフォン時代に突入して以降徐々に減った。携帯電話を手掛ける日本メーカーの数もフィーチャーフォン時代と比べて激減している
NTTドコモ歴史展示スクエアの展示コーナーでは、現代の携帯電話の原形ともいえる、肩に提げて携行できる「ショルダーホン」から、「ポケットベル」「PHS」、そして、現代のスマートフォンに至るまで、携帯電話にまつわるさまざまな情報を展示。来場した子どもが、ショルダーフォンを肩からかける場面も見られた。
comottoでは2023年9月29日、プログラミングに加えて工作を学べるイベントとして、JAXA、タカラトミー、ソニーグループ、同志社大学が共同開発した超小型の変形型月面ロボット「SORA-Q(ソラキュー)」を模した、ダンボールの教育用ロボットで子どもがレースを行うイベントも実施した。
F503iを題材としたプログラミングでは、いわゆるスマホネイティブ世代の子どもたちに、プログラミングを通して世の中のコミュニケーションを支えてきた携帯電話の歴史を知ってもらいたい意図だけでなく、ドコモの端末やcomottoをはじめとする各サービスにも興味をもってもらいたいという意図が伝わってきた。
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