KDDIがiPhone向けに「RCS」を提供 大容量の画像など、OS問わず送受信OK まずはβ版のiOS 18.4で利用可能に
KDDIは、AndroidとiOS間で大容量の画像やデータをやりとりできるRCS(Rich Communication Services)を、β版のiOS 18.4を搭載したiPhone向けに提供している。このほど、利用者向けの専用ページを開設した。利用には、My au アプリ(UQ mobileの場合はMy UQ mobileアプリ)からの申し込みに加え、端末での設定が必要だ。
KDDIは、AndroidとiOS間で大容量の画像やデータをやりとりできるRCS(Rich Communication Services)を、β版のiOS 18.4を搭載したiPhone向けに提供している。このほど、利用者向けの専用ページを開設した。
RCSは、GSMAによって世界的に標準化されたメッセージサービスの規格で、SMSを拡張したものだ。長文テキストや画像・動画の送受信に加え、複数人でのグループチャットも利用できる。
Androidでは、Googleの「Google メッセージ」がRCSに対応している。一方、Appleは従来よりApple独自の「iMessage」をiOSでも採用してきた経緯があり、OS標準搭載のメッセージングアプリでOSをまたいだリッチなコミュニケーションは叶わなかった。しかし、iOS 18の登場とともにiOSの「メッセージ」アプリがRCSをサポートした。
日本では、2018年にドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社が共同でRCSを採用した「+メッセージ」というサービスを開始したが、利用できるのは+メッセージ対応キャリアのユーザー間に限られている。楽天モバイルは「Rakuten Link」で独自のRCSを展開しているが、これも楽天モバイルユーザー同士のみ利用可能だ。
また、RCSの利用にはキャリアのサーバを通じたユーザーの認証が必要なため、RCS非対応キャリアのSIMを使用している場合は、iPhoneが対応していてもRCSを利用できない。
2024年9月の「iPhone 16」発表時、KDDI 執行役員 パーソナル事業本部 副事業本部長の村元伸弥氏は、RCS対応を示唆していた。同年11月1日の決算説明会では、高橋誠社長が「衛星通信とスマホの直接通信は非常に親和性があり、RCSとGoogleの生成AI『Gemini』の相性も良い」と発言。「コミュニケーションサービスにAIをどう組み込むかが、次の勝負になるのではないか」との考えを示した。
KDDIでは、My au アプリ(UQ mobileの場合はMy UQ mobileアプリ)から無料のRCSオプションサービスに申し込む必要がある。さらに、β版のiOS 18.4を搭載したiPhoneでRCSをオンにすることで利用可能になる。設定から「アプリ」→「メッセージ」→「RCSメッセージ」の順に操作し、RCSメッセージの右横のボタンをタップしてオフからオン(緑色の状態)に切り替える。
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