「AQUOS sense9」をじっくりと試す 抜群のディスプレイ搭載、必要十分を満たした“新定番スマホ”だ(3/4 ページ)
AQUOS sense9をレビューする。Pro IGZO OLEDディスプレイの鮮明な映像表現と5030万画素のデュアルカメラを搭載し、コンパクトなサイズ感ながら上質な使い心地を実現したシャープの新ミッドレンジだ。
Snapdragon 7s Gen 2搭載、ハプティクスの触感も良好
AQUOS sense9のプロセッサはSnapdragon 7s Gen 2を採用している。メインメモリは販売元によって6GB版と8GB版が存在しており、6GBまでの仮想メモリを設定できる。今回は8GBで試してみたが、実際にSNSやブラウザ、動画再生アプリを切り替えてもカクつきやストレスは少ない印象だった。
ただし、上位モデルと使い比べると、ブラウザの読み込みで差を感じる瞬間があった。例えばChromeのシークレットタブでITmedia Mobileのトップページを開いたとき、Google Pixel 9 Pro(Tensor G4搭載、メモリ16GB)では1.5秒で表示されるのに対して、AQUOS sense9では約3秒かかる。こうした細かな使い勝手の差は価格を反映したものといえそうだ。ゲームのように高負荷なシーンでも、さすがにフレームレートを落とすなどの調整が必要になるだろう。
本体のハプティクス(振動フィードバック)はコトコトと柔らかく、安価なスマホでありがちな“ビリビリ”とした不快感がないのが好印象だ。キーボード入力時のかすかな振動が心地よく、通知が来た際にも突き刺さるような振動ではない。こうしたささいなポイントが、毎日使うスマホの満足度を左右するのだと改めて感じさせる。
なお、「GeekBench 6」のCPUベンチマークスコアはシングルコア性能で961、マルチコア性能で2713と、ミッドレンジ帯のGalaxy A54と近い結果になった。ゲーム向けのベンチマーク「3D Mark」のWild Lifeテストの結果は3056で、平均フレームレートは18.30FPSだった。
AQUOSトリックとエモパー 独自機能がもたらす“ちょっと便利”な体験
シャープのスマホらしく、本機にも独自の工夫が多い。「AQUOSトリック」の代表例である「Payトリガー」は、右側面の指紋センサーを1秒ほど長押しすると決済アプリを呼び出せる仕組みだが、人によっては誤反応が起きやすい面もあるため、最初のうちは使い方に慣れる必要があるかもしれない。
「テザリングオート」はGPSと連動し、自宅やオフィスを離れると自動的にテザリングをオンに切り替えるなど、移動が多い人には助かる機能だ。通話録音や未登録番号警告など迷惑電話対策にも対応しており、地味だがありがたい。
なお、AQUOSトリックではないが、シャープ独自の音声アシスタント「エモパー」も引き続き搭載している。スマホが落下した際に「いてっ」とリアクションしたり、ニュースを読み上げたりして、ユーザーの生活に寄り添うような体験を演出する。ただ、スマホが積極的に話しかけてくるのを煩わしく思う人もいるため、好みに合わせてオン・オフを調整した方がいいだろう。
一方で、AQUOS R9が搭載するAI系の機能「電話アシスタント」はこのスマホでは非対応となっている。掛かってきた留守電を文字起こしするなどの機能があるが、sense9ではスペックが不足するため使えない。
従って、AQUOS sense9は昨今の「AIスマホ」のブームからは外れた比較的ベーシックなスマホといえそうだ。ただしそれでも、Googleの「かこって検索」はソフトウェアアップデートによって対応した。
関連記事
「AQUOS sense9」はココが進化した 選べる6色の「ちょっとアガる、どまんなかスマホ」を実機で確認
シャープは11月7日にスマートフォンのミッドレンジモデル「AQUOS sense9」を発売する。豊富なカラーバリエーションやディスプレイ性能の向上など、先代「AQUOS sense8」から大幅なアップデートがあった。コンセプトの「ちょっとアガる、どまんなかスマホ」を実機で確認した。シャープに聞く「AQUOS sense9」の進化と「AQUOS R9 pro」を作ったワケ 根底に“AQUOS R9の刷新”あり
2024年にスマートフォンAQUOSのデザインを刷新したことに伴い、「AQUOS sense9」も見た目や中身が大きく変わっている。同時に発表された「AQUOS R9 pro」では、カメラに特化したスマホというコンセプトをより先鋭化させた。シャープはこの2機種をどのようなコンセプトで開発したのか。「AQUOS sense9」の“撮り心地”はどう? 「AQUOS R9」と比較する 魅力はペットと人物を切り替えるポートレート
シャープ製のスタンダード(ミドルレンジ)スマートフォン「AQUOS sense9」のカメラって、どうなんでしょうか? 先に発表されたハイエンドモデル「AQUOS R9」と比較しながら試してみましょう。シャープ「AQUOS sense9」発表 先代から大幅刷新のデザインに、ステレオスピーカー搭載
シャープは11月7日にスマートフォンのミッドレンジモデル「AQUOS sense9」を発売する。豊富なカラーバリエーションとアップデートされたディスプレイ、オーディオ性能などを特徴とするグローバルモデル。日本に加え、台湾、インドネシア、シンガポールでも順次発売する。出そろった「AQUOS sense9」の価格 ドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイル、IIJmio、mineoでお得なのはどこ?
シャープは11月7日にスマートフォンのミッドレンジモデル「AQUOS sense9」を発売した。NTTドコモ、KDDI(au/UQ mobile)、ソフトバンク、楽天モバイル、IIJmio、mineoでの販売価格が出そろった。各社のオンラインショップにおける販売価格、端末購入補助プログラム適用後の実質負担額をまとめた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.