レビュー

「Zenfone 12 Ultra」レビュー:独自AIやSnapdragon 8 Eliteの性能、ジンバル搭載カメラの実力を検証(3/3 ページ)

ASUSが5月に発売した「Zenfone 12 Ultra」を試す。6.78型の大画面とSnapdragon 8 Eliteを搭載したハイエンドモデルで、高性能かつ価格も抑えられている。

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手ブレに強い、ジンバル搭載カメラが魅力

 アウトカメラは3眼構成となっている。カメラ自体のブレを防ぐ6軸ジンバルを搭載の広角23.8mm相当5000万画素1/1.56型センサーカメラ、超広角12.7mm相当1300万画素カメラ、望遠光学3倍65.3mm相当3200万画素カメラを搭載する。動画撮影は8K/30fps、4K/60fpsに対応する。


大型のジンバル搭載広角カメラと、超広角カメラ、望遠3倍カメラを搭載する

撮影画面

 撮影品質は良好で、あまり派手すぎる補正もない。ジンバル搭載カメラは写真撮影時の手ブレを防げる他、動画撮影でも高画質なメインカメラで撮影しつつブレをある程度抑えられる点は魅力だ。ただ、このカメラのオート撮影は被写体に対してかなり素直に露出やホワイトバランスを調整するので、撮影環境によっては露出補正やPROモードでホワイトバランスを変更した方がきれいに撮れる。


やや暗い色のデザートに露出を合わせて撮影したところ、ほどよい結果となった。ただ、色の付いた皿での撮影では、PROモードでホワイトバランスを設定が必要だった

暗い場所では夜景モードに切り替わる。シャッターを押して約2秒構えれば、きれいな写真を撮影できる
暗い場所でジンバル対応広角カメラを活用した、歩きや走りながらの動画撮影に向いている。最新スマホは強力な手ブレ補正機能に対応したものもあるが、暗い場所に対応した製品は少ない

超広角、広角、望遠3倍で撮影

 写真関連のAI機能は、動く被写体に躍動感を加えるAI流し撮り、動画撮影時のAIポートレート、動く被写体を中央にフレーミングし続けるAIトラッキングなどを搭載。撮影後の処理は、今ではおなじみとなったAI消しゴムやAIピンボケ補正を利用できる。

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AI流し撮りモードで撮影。動く被写体を追いかけるようにシャッターを押すことで、スピード感のある写真を保存できる

高性能で多機能なハイエンドスマホだが、AI機能はもう一工夫欲しい

 Zenfone 12 Ultraの魅力は10万円台前半で大画面&高性能かつ、大容量バッテリー、急速充電、イヤフォン端子やおサイフケータイなど日本市場で求められる機能を網羅している点だ。SIMフリーで普段使いするハイエンドAndroidが欲しい人や、利用目的がはっきりとしている人ならこのモデルを指名買いしたくなるだろう。

 一方で、今回のモデルで押しているAI周りはカメラの撮影や編集機能はともかく、その他の機能はGeminiやChatGPTその他各社のクラウドAIを用いたサービスの方が圧倒的に高性能で進化も速い。AI関連の機能は登場した次の月には陳腐化してしまうだけに、AI機能に注目しすぎても仕方がない。将来のモデルでもAI対応を押し出すなら、スマホ本体だからこそ実現できる便利な機能をもっと提案してほしい。

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