新フラグシップ「Zenfone 12 Ultra」発表 AI機能やカメラを強化、Snapdragon 8 Elite搭載
ASUSが2月6日、Zenfoneシリーズの新型スマートフォン「Zenfone 12 Ultra」を発表した。AI機能やカメラ機能に注力したフラグシップスマートフォン。カメラや画像編集にもAIを活用し、動画撮影で人物の背景をぼかしたり、ノイズを除去したりできる。
ASUSが2月6日、Zenfoneシリーズの新型スマートフォン「Zenfone 12 Ultra」を発表した。欧州で2月6日に、台湾で2月7日に発売する。欧州での価格は1099ユーロ(約17万4000円)。国内での発売についてはアナウンスされていない。
Zenfone 12 Ultraは、AI機能やカメラ機能に注力したフラグシップスマートフォン。2024年に発売した先代の「Zenfone 11 Ultra」と同様、今回も1モデルで展開する。カラーバリエーションはSage Green、Ebony Black、Sakura Whiteの3色をそろえた。
AIを用いたリアルタイムの翻訳や文字起こし 記事の要約も
AIについては6つの機能を用意しており、Zenfone 11 Ultraから進化した部分や新機能もある。通話を他言語にリアルタイムで通訳する「AI Call Translator 2.0(Beta)」では、デフォルトの通話アプリに加え、Whats APPやWeChatなどサードパーティーのアプリにも対応する。
「AI Transcript 2.0(Beta)」では、レコーダーで録音した内容の文字起こしをリアルタイムで行い、重要な点を要約することもできる。2つの機能はいずれも日本語をサポートしている。Zenfone 12 Ultraでは複数の話者を認識したり、文字起こしの要約をしたりできるようになった。
効率よく調べ物ができる機能も加わった。Webサイトや長い文章などを要約する「AI Article Summary(Beta)」や、PDFやWordなどの内容を要約する「AI Document Summary(Beta)」も利用できる。画像、動画、テキストなどで気になる箇所を長押しし、指で囲うだけで検索ができる、Googleの「かこって検索」も利用可能になった。
「Semantic Search」として、端末内の検索機能にもAIを取り入れた。「ギャラリー」アプリでは、複数の条件に該当する写真を手軽に検索できるようになる。例えば「おいしそうな食べ物を写真を探して」「バンコクで撮った写真を探して」といった具合だ。「設定」からは、あいまいな単語からでも、関連する候補を表示してくれる。
上記6つのAI機能のうち、AI Call TranslatorとSemantic Searchは、端末が備えるNPU(Neural Processing Unit)を用いてオンデバイスでのみ動作し、かこって検索はクラウドでのみ動作する。他の機能はオンデバイスとクラウドの両方で動作する。
手ブレ補正が進化したカメラ AIを用いた撮影や編集も可能に
アウトカメラは5000万画素の広角、3200万画素の望遠、1300万画素の超広角で構成される。広角カメラの手ブレを補正する6軸のハイブリッド(電子式/光学式)ジンバルスタビライザーは、Zenfone 11 Ultraの「3.0」から「4.0」に進化。静止画と動画の撮影時に、最大で5度の動きを補正する。また、補正レベルがZenfone 11 Ultraよりも66%向上したという。
動画撮影にもAIを活用している。「AI Tracking」では、被写体をリアルタイムで追従し、中央に配置するよう自動でズームする。「AI Portrait Video 2.0」では、4Kまでの動画撮影時に人物の背景をぼかすことができる。撮影環境の騒音を除去できる「AI Voice Clarity」も追加した。
Google Pixelの「消しゴムマジック」のような機能も用意する。「AI Magic Fill(Beta)」では、ギャラリーアプリに保存されている写真から、背景の不要な人や物を囲うだけで除去できる。この他、写真のぼけている部分を補正する機能、被写体をトラッキングして連写する機能、写真の色温度や彩度を調整する機能も用意している。
インカメラはRGBWセンサー付きの3200万画素を備えている。
Snapdragon 8 Elite搭載 イヤフォンジャックやeSIMにも対応
ディスプレイは6.78型のフルHD+(1080×2400ピクセル)有機ELを搭載。1〜120Hzのリフレッシュレートに対応しており、ゲームプレイ時には最大144Hzまで拡張する。ピーク輝度は最大2500ニトだ。強化ガラスとしてCorning Gorilla Glass Victus 2を採用し、本体はIP68の防水・防塵(じん)をサポートしている。
プロセッサはQualcommの最上位モデルである「Snapdragon 8 Elite」を採用しており、Snapdragon 8 Gen 3と比較してCPU性能が45%、GPU性能は40%、NPU性能は40%の向上を果たしている。メインメモリは最大16GB、内蔵メモリは最大512GBを備えている。SIMスロットはデュアルnanoSIMの他、eSIMもサポートしている。
容量5500mAhのバッテリーを内蔵しており、39分で0%から100%の充電が可能な65W急速充電と、最大15Wのワイヤレス充電にも対応している。昨今のハイエンドスマホでは珍しい3.5mmのイヤフォンジャックを備えているのも特徴だ。本体サイズは77(幅)×163.8(高さ)×8.9mm(奥行き)、重量は220g。
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