世界スマートフォン市場、4~6月期は1.0%成長 中国の低迷や世界の不確実性でもプラス維持──IDC調べ
IDCの調査によると、2025年第2四半期の世界スマホ市場は前年同期比1.0%増とプラス成長を維持。中国市場の低迷はあったが、SamsungがAI搭載の中価格帯モデルで好調を維持し、首位を保った。
米調査会社IDCが7月14日(現地時間)に発表した2025年第2四半期(4~6月期)の世界スマートフォン市場に関する速報値によると、同期間のスマートフォン総出荷台数は前年同期比1.0%増の2億9520万台となり、8四半期連続の成長を記録した。
市場はプラス成長を維持したものの、関税の変動、為替不安、失業率の上昇、インフレといった世界的なマクロ経済の課題が需要を抑制しており、特に価格に敏感な低価格帯の製品は影響を受けやすい状況が続いている。
IDCは、「経済の不透明感は特に低価格帯のAndroid機に影響し、市場全体の伸びを抑える要因となっている」と分析する。また、中国市場の想定を下回る成績も全体成長を鈍化させた。中国独自の商戦「618」では在庫処分の動きが強く、新たな出荷にはつながらなかった。
米Appleは618商戦でトップブランドとなったが、中国での出荷は1%減少した。ただし、他の新興市場での2桁成長がこれを相殺し、グローバルでは1.5%の伸びを示した。
一方、韓国Samsungは、普及価格帯の新製品「Galaxy A36」および「A56」の販売が好調で、市場全体を上回る成長を達成し、首位の座を維持した。これらの機種はミッドレンジながらAI機能を搭載しており、販売現場でも消費者の関心を集めているという。
IDCは、「AI搭載の中価格帯製品が売り上げを後押しした。消費者のAIへの関心が、販売現場での説得力ある訴求材料になっている」と述べた。
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