インタビュー

全自動iPhoneフィルム貼り機「フィルラボ」が誕生したワケ “2分で貼り付け”の裏側に迫る(1/3 ページ)

iPhoneのディスプレイ保護フィルムをきれいに貼る作業は、多くのスマートフォンユーザーにとって、頭を悩ませる難題の1つだ。こうした課題を解決するソリューションとして登場したのが、全自動iPhoneフィルム貼り機の「フィルラボ」だ。ITmedia Mobileでは、設置の背景や狙いから裏側の仕組みまで網羅的にインタビューした。

 iPhoneのディスプレイ保護フィルムをきれいに貼る作業は、多くのスマートフォンユーザーにとって、頭を悩ませる難題の1つだ。小さなホコリ1つでも気泡の原因となり、わずかなズレが視覚的な不快感につながり、結果として貼り直しを余儀なくされることも多い。

 こうした課題を解決するソリューションとして登場したのが、全自動iPhoneフィルム貼り機の「フィルラボ」だ。筆者も実際にこの機械を試しに設置場所へ行き、貼り付けの品質と利便性に深く感銘を受けた。

 フィルラボの最大の特徴は、ユーザーがiPhoneを専用トレイにセットするだけで、機械がディスプレイのクリーニングから保護フィルムの貼付までの一連の作業を、わずか2分という驚異的な速さで完遂するという点にある。

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iPhone用保護フィルム全自動貼付機の「フィルラボ」

実際にフィルラボの自動貼り付けを体験してみた

 ここで、フィルラボにおけるフィルムの貼り付け手順を見てみよう。

 まずはスマートフォンの機種名とフィルムの種類を選択し、キャッシュレス決済を行う。決済が完了したら、スマートフォンを施工ボックスにセットする。この際、特別な位置調整は不要で、機種に合わせて自動で位置が調整されるが、ディスプレイが上に向くように設置する必要がある。


機種名を選択する

「iPhone 16e」はiPhone 16という項目内にある。本体のデザインがノッチを含め同じ「iPhone 14」という項目内にはないので注意しよう

フィルムの種類を選択する

フィルムの種類が間違っていないかを確認して「はい」を選択する

注意事項をよく確認して画面の手順に従って操作を進める

決済を行う

 セットを終えると、まるで「サンダーバード」が格納庫へ入るかのように、iPhoneが機械の中に吸い込まれていく。機械の中では、セットされた端末を専用ブラシクロスとクリーニング液を使って約2分間かけて丁寧にクリーニングする。クリーニングが終わると、iPhoneを載せたトレイが内部から引き出されて、スマートフォンを施工ボックスから取り出せるようになる。


決済が完了してiPhoneをトレイに置くと、フィルムの貼り付け手順作業に進む

 そして、最後に、フィルムの種別を示す英数字が印字されたフィルムを剥がせば、施工は終了だ。この印字されたフィルムは、iPhoneのディスプレイを保護する本命のフィルムではなく、その上に重ねて貼られている別のフィルムだ。剥がした種別印字フィルムは、機械のディスプレイ下部に設置されている回収ボックスに廃棄できる。


フィルムの貼り付けを終えたらフィルムの種別を示す英数字が印字されたフィルムを剥がす

実は日本発ではないフィルラボ イオンモールや楽天モバイルショップからスタート

 そもそもフィルラボはどのような経緯で設置が進んでいるのだろうか? 設置の狙いからフィルムの価格、強度、機械内部の仕組みに至るまでを、運営元であるグローバルコネクション 国内営業本部の菊池将吾氏に聞いた。


グローバルコネクション 国内営業本部の菊池将吾氏

 グローバルコネクションは、2009年に設立された企業で、折りたたみ自転車からキャンプ用品、スポーツウェア、スマートフォン用のアクセサリー、生活用品などを多数取りそろえた公式オインラインストアを自社で運営し、Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングにも出店している。


フィルラボを運営するグローバルコネクション

グローバルコネクションは、折りたたみ自転車やスマートフォン用のアクセサリーなどを自社で販売している

 フィルラボを日本で提供する経緯について、菊池氏は、機械自体が「同社代表の知り合いを介して仕入れたもの」とした上で、次のように述べる。

 「日本では特にiPhoneユーザーが多いですし、きれいにフィルムを貼りたいと考えている方が多くいらっしゃいますが、そういった作業が苦手な方も多いことから、日本で展開すれば大きな反響があるのではないか、バズるのではないか? という発想に至り、日本での展開をスタートしました」

 ただ、最初から日本で提供していたわけではなく、「最初にこのサービスが始まったのは台湾」だったという。2025年現在は、「韓国や一部ヨーロッパの方でも既に展開をスタートしている国がいくつかあります」と明かす。

 日本では、2024年9月にビッグサイトで開催された「東京インターナショナル・ギフト・ショー秋2024」という展示会で、同社が最初に展示を行った。実際に設置をスタートしたのは2024年の11月頃で、埼玉の浦和美園駅にあるイオンモール内の楽天モバイルショップに、テナントとして入ったが、課題も浮き彫りになったそうだ。


「東京インターナショナル・ギフト・ショー秋2024」への出展については、過去のニュースリリースでも明らかにされている

 菊池氏は「最初は、当社も通信系やスマホアクセサリー購入後の動線があるため、そういったところで顧客を獲得できるのではないかと予想していました」と話すが、課題も見えてきたそうだ。「1つのテナントに入ってしまうと、どうしても外部からの流入が少なく、楽天モバイルショップを利用する方や、そこで携帯電話を購入する方にしかリーチできませんでした」

 「そのため、最初はかなり苦労したのですが、メディアに取り上げられて以降は、楽天モバイルショップさんでも客足が伸び、イオンモール内のオープンテナントということもあり、外部からの顧客も目に付きやすい場所に設置していただいているので、今は楽天モバイルショップに行った方だけでなく、イオンモールに来た方(外部)からの流入も数字として取れています」

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