ソフトバンク、裸眼で3D映像を視聴できる「トビデル」提供 スマホに専用保護ガラスを貼るだけ
ソフトバンクが9月5日、3Dコンテンツを裸眼で楽しめる新サービス「トビデル」を発表した。専用の保護ガラスを対応スマートフォンに貼り付けることで、3D眼鏡なしで3Dコンテンツを視聴可能になる。従来の保護ガラスにレンチキュラーレンズを組み合わせることで実現した。
ソフトバンクが9月5日、3Dコンテンツを裸眼で楽しめる新サービス「トビデル」を発表した。専用の保護ガラスを対応スマートフォンに貼り付けることで、3D眼鏡をかけずに3Dコンテンツを視聴できるようになる。
SoftBank SELECTIONブランドの専用保護ガラス「トビデル 3D保護ガラス for iPhone 15 Pro/15」を、ソフトバンク取扱店やオンラインショップ「トレテク!ソフトバンクセレクション」で9月6日から販売する。価格は7200円(税込み)。現時点での対応機種は「iPhone 15 Pro」と「iPhone 15」(いずれもiOS 17.2以降)だが、Androidスマートフォンも含めて対応機種は拡大していく見通し。
トビデル 3D保護ガラスは、従来の保護ガラスにレンチキュラーレンズを組み合わせているのが特徴。右目用と左目用の映像をレンチキュラーレンズに出力することで視差が生じ、立体感を得られるようになる。
3D表示をするには「トビデル」アプリを利用する必要がある。このアプリにオリジナルの3Dコンテンツを内蔵している他、自分で撮影した写真や動画を呼び出して3D視聴することもできる。なお、YouTubeやNetflixなど既存アプリのコンテンツを3D視聴することはできない。これは「アプリ側のプレーヤーがアイトラッキングをするため」(ソフトバンク担当者)で、仮の他のアプリで写真や映像を3D化させるには、アイトラッキングに対応させるなどのチューニングを行う必要がある。
3D表示をする際に深度推定AIモデルを活用しており、スマホに保存した写真や動画の深度情報を推定して3Dコンテンツに変換している。AIアイトラッキング機能も活用。事前にインカメラで取得したユーザーの目の情報をAIで推定することで、ユーザーごとに最適な3D視聴が可能になるという。
トビデルに対応した無料コンテンツも用意しており、なにわ男子や吉本興業所属芸人、LDH所属アーティストなどが出演する3D映像を楽しめる。有料コンテンツとして、ソフトバンク取扱店でコンテンツカードを数量限定で販売する。サービス開始時点では、LDH所属アーティスト5組、計7種類を販売する。2024年内にはアプリ内課金によるコンテンツも提供する予定だ。
レンズ自体は通常の保護ガラスと同等の性能を担保しており、表面硬度は9Hで防汚や防指紋の処理を施している。SoftBank SELECTIONで販売している他の製品と同じく、6カ月の製品保証も用意する。
実際に「トビデル」を試してみた
トビデルを利用するには、トビデル 3D保護ガラスを貼った後、まずはトビデルアプリを起動し、「マイページ」の「視聴設定」からアイトラッキングの設定を行う。プレビューに自分の顔が表示されていることを確認したら、プレビュー内の緑の点と自分の目の位置が重なるようスマホの位置を調整する。
その後、斜め方向の調整で背景のラインとオレンジのラインが並行になるよう画面のバーを調整。最後に偏り調整として、画面のバーを操作してロボットの輪郭がはっきり見えるようにする。これで事前の設定は完了だ。
アイトラッキングはユーザーごとに最適化されるため、複数のユーザーで3Dコンテンツを視聴することはできない。他のユーザーに試してもらうためには、都度、アイトラッキングを設定する必要がある。
アプリの「ホーム」にはお試しコンテンツがあるので、まずはどのように見えるのか試してみよう。いくつかのコンテンツを見てみたが、確かに裸眼でも立体的に見えると感じた。特に奥行きのある写真や映像ほど、立体感を得られる。再生画面からは3Dエフェクトレベルの調節も可能だ。
一方で気になったのが、通常時の視認性だ。保護ガラスにレンチキュラーレンズを入れている関係で、若干ではあるが画面にモヤが掛かったように見える。慣れの問題かもしれないが、通常の保護ガラスに比べて視認性に影響が出ることは確かだ。保護ガラスは一度貼り付けたら基本的に剥がすことはないので、3Dコンテンツを見るときだけ貼り付けるといったことも当然できない。
サービス開始に合わせ、ソフトバンクは全国のソフトバンク取扱店(一部を除く)でデモ機を設置し、トビデルを体験できる。3Dコンテンツの見え方や視認性が気になる人は、一度ショップで試してみるといいだろう。
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