「iPhone Air」の実機に触れた! 厚さ5mm台の衝撃、165gの軽さは“感覚がバグる” 「iPhone 17」も合わせて現地レポート(1/2 ページ)
Appleの発表会に参加した石野純也氏が「iPhone Air」の実機を確認。手に取ってみて驚いたのが、その圧倒的な薄さだ。重量も165gと軽く、感覚がバグってしまうような重量感だ。
Appleは、9月9日(現地時間)に米カリフォルニア州クパチーノの本社で、新製品発表イベントを開催した。発表されたのは、iPhone、Apple Watch、AirPods Proの3カテゴリーになる。iPhoneは、2024年の16までとはラインアップを一新。新たに5.6mmの超薄型モデルとなる「iPhone Air」が加わった。
「iPhone 16」までは、ノーマルモデルが大小2つに分かれており、大画面版としてPlusのつくモデルが用意されていた。これに対し、「iPhone 17」シリーズではPlusがなくなり、ノーマルモデルはiPhone 17だけになった。機能的にはどちらかといえばノーマルモデルに近いiPhone Airだが、製品名に「17」などのナンバリングがないことから、特別なモデルとしてフィーチャーされたことがうかがえる。
圧倒的な薄さに驚く iPhone 16 Proと比べても一目瞭然
手に取ってみて驚いたのが、その圧倒的な薄さだ。5.6mmという数字が示すように、とにかくスリム。8.25mmの「iPhone 16 Pro」と比べてみると、その薄さが一目瞭然になる。また、重量も165gと軽い。この重さはiPhone 16の170gより5g軽く、6.5型のディスプレイを搭載した端末としては異例の軽さ。感覚がバグってしまうような重量感だ。ハンズオンでは短時間しか触れられなかったが、これなら長時間使っていても疲れないだろう。
上が筆者私物のiPhone 16 Proで、下がiPhone Air。iPhone 16 Proも8.25mmで特段厚いというわけではないが、5.6mmのiPhone Airとの比較だと厚く見えてしまう。それほど、iPhone Airが薄いということだ
5.6mmの薄型ながら、iPhone 17シリーズに共通のボタンは、全て側面に備えている。「サイドボタン」「音量ボタン」はもちろん、「アクションボタン」やiPhone 16シリーズから採用が始まった「カメラコントロール」も搭載する。カメラコントロールは廉価モデルの「iPhone 16e」で省かれてしまっていただけに、薄型モデルながらもきちんと装備してきたのは好印象。ただし、薄くなっている分、ややボタンが押しにくくなっている。
別記事で紹介するProモデルは本体をアルミのユニボディー化したのに対し、iPhone Airは背面全体にガラスを採用したこれまでのiPhoneと同じデザインを踏襲している。カラーバリエーションはスペースブラック、クラウドホワイト、ライトゴールド、スカイブルーの4色展開。スペースブラック以外の3色はいずれも淡い色合い。Airという名称に合わせて、“空”を想起させる色名が多くなっている。
カメラはシングルだがiPhone 16eより高性能 インカメラのセンターフレームにも対応
背面に搭載されたカメラは、iPhone 16eと同様のシングルカメラ仕様で、超広角カメラや望遠カメラは搭載されない。この点は、カメラ仕様をノーマルモデルと合わせていたPlusとの違いといえる。サイズで差を出すのではなく、薄さや軽さに“全振り”して他のモデルとの違いを明確に打ち出したのがiPhone Airというわけだ。
ただし、シングルカメラながらセンサーは48メガピクセルと高画素で、切り出し処理を行うことで2倍ズームは可能。センサー自体もiPhone 16eより大きくなっており、ピクセルビニングをした際の画素ピッチは2μmとなる(2倍望遠時は1μm)。
4機種共通の機能である、インカメラの「センターフレームカメラ」にも対応する。これは、正方形のセンサーを使い、縦横両方に切り出せるというもの。縦に持ったまま横位置の写真が撮れる他、画角をより広くしたり、AIが判定して自動で画角を変えることも可能になる。
Appleの独自モデム「C1X」内蔵、省電力性能の向上に貢献
プロセッサには「A19 Pro」を採用。ディスプレイは1Hzから120Hzで可変するPro Motionに対応しており、スムーズなスクロールを実現する。描画性能の点での見劣りがなくなったことで、これまでProモデルを購入していたユーザーの一部が、iPhone Airを選択しやすくなったといえそうだ。
また、通信機能をつかさどるモデムには、Appleが独自設計した「C1X」を搭載する。C1モデムはiPhone 16eに採用されていたものだが、C1Xでは速度や省電力性能をさらに高めているという。薄型のため、バッテリー容量を他のモデルほど増やせないことから、より消費電力を抑えやすい自社モデムの採用に踏み切ったとみられる。
省電力性能については、Qualcommのモデムを搭載したiPhone 16 Pro比で30%向上しているという。C1モデム発表時には、25%の省電力性とうたわれていたが、そこから5ポイントほど数値が上がっている。モデム単体の設計かは不明ながら、日本版はiPhone 16eが未対応だったLTEのBand 21(1.5GHz帯)にも対応した。
なお、iPhone AirはAppleとして初めてグローバルで“eSIMオンリー”になったモデルで、物理SIMスロットを搭載しない。日本では、iPhone 17シリーズ全機種からSIMカードスロットがなくなったが、iPhone Air以外の3機種は、国や地域によってはSIMカードスロットが残っている格好だ(代わりにバッテリーが減っている)。iPhone Airは薄型のため、SIMカードスロットを設けるスペースを捻出するのも難しかったことがうかがえる。
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