「Xperia 1 VII」不具合、「中国工場」が原因ではない? 原因と対策の詳細明らかに、スマホ事業は継続へ(1/3 ページ)
ソニーは9月12日、ソニーグループ本社(東京都港区)で説明会を開いた。フラグシップスマートフォン「Xperia 1 VII」で起きた不具合問題の原因と再発防止策を詳細に説明した。登壇したモバイルコミュニケーションズ事業部 事業部長の大島正昭氏。
ソニーは9月12日、ソニーグループ本社で説明会を開き、フラグシップスマートフォン「Xperia 1 VII」で起きた不具合問題の原因と再発防止策を詳細に説明した。登壇したモバイルコミュニケーションズ事業部 事業部長の大島正昭氏は、問題の根幹が基板の製造工程における管理不備にあったことを全面的に認め、ユーザーに対し深く謝罪した。
販売停止から約2カ月、Xperiaブランドイメージが大きく揺らぐ中で開かれた説明会は、品質管理体制を抜本的に強化し、信頼回復に全力を尽くすというソニーの固い決意を表明する場となった。ソニーが信頼回復へ向けてどのように取り組むのか、そして、Xperiaユーザーに対して伝えたいメッセージが何か、この記事では大きく2点に分けて解説する。
大島氏は「責任感じる」硬い表情 ソニーを代表して謝罪
説明会の冒頭、大島氏は硬い表情で口を開き、今回の問題について謝罪した。今回の不具合は、電源が突然落ちる、意図せず再起動を繰り返す、あるいは完全に電源が入らなくなり、最悪の場合、ユーザーが大切なデータを二度と取り出せなくなるといった深刻な事象がまれに発生するというものだった。
6月末に不具合の兆候、7月4日にはソフトウェア更新 時系列で整理
まずはXperia 1 VIIを巡る一連の出来事について振り返る。
発端は、ユーザーの声だった。大島氏は、不具合の報告件数について具体的な件数の公表は避けつつも、「6月の末には急にその兆候が増えてきた」と、解析開始のきっかけを明かした。ユーザーから寄せられる「まれに再起動する」といった声が、明らかに無視できないレベルで増加したのがこの時期だったという。
この際も、ソニーは問題の原因解析を並行して実施しており、「まれに再起動が繰り返される」不具合も把握したという。そのため、「7月4日には、1度ソフトウェアアップデートを実施し、データのバックアップのお願いをした」と大島氏は明かす。
その後の解析で「ハードウェアとしても基板の不具合が発生しているといったところを突き止め」(同氏)、販売停止と全数交換を目指し、極めて慎重かつ重い判断に至った。原因が1つに絞り込めない中、ソニーが問題原因究明と交換対応を最優先に進めていた当時の混乱と苦慮を物語っている。
7月16日には、製品交換対応ページを公開。このページで、Xperia 1 VIIのIMEI(国際移動体装置識別番号)を入力することで、当該端末が製品交換の対象となるロットかどうを判断できた。しかし、このサイトにも不具合が生じた。
大島氏によると、ページ公開から約2時間後に本来は交換対象となる端末(NG)を「問題なし(OK)」と誤って判定してしまう事象が発覚した。nanoSIMとeSIMのそれぞれに割り振られた2つのIMEI(端末識別番号)とソニー側の情報を照合する際にエラーが発生した。この初期対応のつまずきは、既に不安を抱えていたユーザーの混乱に拍車を掛け、ソニーの対応能力そのものへの疑念を抱かせる一因になった。
Xperiaへの信頼が揺らぐ中、8月7日に開催された2025年度第1四半期の業績説明会では、ソニーグループ執行役 CFO(最高財務責任者)の陶琳(たお・りん)氏がスマートフォン事業を今後も継続していくことを言及。不具合について謝罪した。
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