Googleキーボードが黒電話に変身? 入力時に“ジーコジーコ”音響く 「Gboard」ダイヤルバージョン発表
Googleは10月1日、独自に開発した新しい入力デバイスを公開した。スマートフォン向けキーボードアプリ「Gboard」で培った知見をもとに、実際に製作できるというユニークな「ダイヤルバージョン」を発表した。発売予定はない。
Googleは10月1日、独自に開発した新しい入力デバイスを公開した。スマートフォン向けキーボードアプリ「Gboard」で培った知見をもとに、実際に製作できるというユニークな「ダイヤルバージョン」を発表した。発売予定はない。
Gboardはスマートフォン向けキーボード(文字入力)アプリで、文字変換、写真を背景に設定できるテーマ、音声入力、翻訳などの機能を備える。
Googleは2016年に「物理フリックバージョン」、2019年に「Gboardスプーン曲げバージョン」、2021年に「Gboard湯呑みバージョン」、2022年に「Gboard棒バージョン」、2023年に「頭に乗せて持ち運べる自作キー」、2024年に「“ひねる”と複数人で使えるキーボード」を公開してきた。
開発チームは常に快適な入力環境の実現を目指してきたが、今回はその取り組みを物理的なキーボードへと拡張した。従来の──押す、打つ、たたく──といった動作に代わり、回転による入力を可能にした点が大きな特徴である。
発表されたダイヤル式キーボードは、歴史的に親しまれてきた回転操作を採用しながらも、新しい体験を提供する設計となっている。円形デザインに配置された穴に指を差し込み、ダイヤルを回転させることで文字を入力する仕組み。入力時に響くジーコジーコという音も特徴の1つだ。
課題となる大型化や速度低下については、3重に配置されたメインダイヤルで解決した。これにより小型化と3倍の高速化を実現し、並列入力も可能にしたという。さらに、ファンクションキーやカーソルキーは独立したダイヤルとして用意され、エンターキーや数字キーは従来の形状に近いデザインが採用されている。回転式の入力は誤操作を減らし、確実な打鍵感を提供するとの説明だ。
将来的には、利用環境や好みに合わせたカラーバリエーションやフリルカバーのほか、マウススタンドやカールコードといった拡張機器の開発も視野に入れている。開発陣は「これまでのキーボードは押すことが主体だったが、発想を少し変えることで新しい形に行き着いた」としており、快適な入力方法を探求している。
発表日は、一般的に「101キーボード」と呼ばれるキー配列にちなみ、10月1日が選ばれたという。ECサイトや実店舗での販売予定はなく、設計図をオープンソースとして公開する方針で、自作によって誰もが楽しめる形とした。対象年齢に制限はなく、幅広い層が利用できるとしている。
Googleは「今後も入力方法の革新を目指し、コペルニクス的転回を果たしていきたい」としており、既存の常識にとらわれない新たな発想でキーボード体験を提示した。紹介動画も順次公開される予定だ。
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