レビュー

着実にレベルアップした「Xperia 1 VII」のカメラ 超広角/広角カメラが品質向上していい感じに荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(2/3 ページ)

ソニーのフラグシップスマートフォン「Xperia 1 VII」は、薄くてカメラユニット部が主張しないデザインを引き継ぎつつ、超広角カメラと広角カメラをレベルアップした。動画撮影もなかなか面白い機能を備えているので、併せてチェックしてみたい。

強化されたのは「超広角カメラ」「広角カメラ」

 新しい動画機能を堪能したら、次は基本的なアウトカメラの話をしていこう。

 Xperia 1 VIIのアウトカメラは、先代と同じ「超広角」「広角(メイン)」「望遠ズーム」のトリプル構成だ。これらのうち、進化したのは超広角カメラと広角カメラだ。


アウトカメラは縦に3つ並んだトリプル構成。一番下にあるのが、光学ズームの望遠カメラだ

超広角カメラ

 超広角カメラは16mm相当ながら、約4800万画素の1/1.56型センサーを搭載した。先代と比べると大幅な進化だ。

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超広角カメラでいつものガスタンクを撮影。階調は実に滑らかでよい写りだ

超広角カメラだと、背景を広く入れることができてダイナミックな写真になる(美肌効果オンで撮影)

 で、今回、ちょっと面白い機能が追加された。

 カメラは、レンズが広角になればなるほど周辺部が四隅に引っ張られるように変形して映る。その影響で、広角カメラでは「集合写真を撮ったら、端っこの人の顔がちょっと歪んで写る」とか、「全身写真で顔が端っこにあると、おでこ(額)が広く写っちゃう」みたいなことは、経験的に分かっているかと思う。スマホで集合写真を撮るときは端には立たないって人もいそう。

 それがなんと、Xperia 1 VIIでは「顔歪み補正」なる機能を搭載していて、超広角カメラで撮影した際に、画面の端に映る顔のゆがみを補正できるようになっている。撮り比べてみると、確かに補正をかけた方がゆがんでない。ただ、その代わり周辺部が少しゆがんだり、画角が少し狭くなったりという副作用はある。

 どのくらい変わるのか、下の写真で比較してみよう。


通常は上のよう顔が少し端に引っ張られたようになるが、補正を「オート」にすると下のように顔の形を補正してくれる

 これは何気にニーズありそう。

 さらにセンサーサイズが大きくなったことで、暗所にも強くなった。よいことである。


夜の電話ボックスを超広角で。夜、夜景モードにせずにこのクオリティが出せれば、文句はない

 もう1つ、超広角カメラがレベルアップしたことで新しい機能が追加された。それはマクロ撮影機能だ。設定で「近接撮影」をオートにしておくと、被写体にある程度以上近づいた時点で、画面にマクロアイコンが表示されて、カメラが超広角カメラに切り替わりってマクロ撮影(近接撮影)ができるのだ。


近接撮影が有効になると、撮影画面上に花のアイコンが出るので分かりやすい。自動的に超広角カメラへと切り替わったのだ

 上の撮影画面のエノコログサ(ネコジャラシ)に四角い枠があるのは、トラッキングAF(オートフォーカス)をかけているから。これのおかげで、穂が風で揺れてもしっかりと追ってくれる。ソニーのよいところだ。


マクロモードで撮ったエノコログサ。クオリティーは、なかなかに高い

マクロモードで撮ったアイスコーヒー。ここまでググっと寄れるのはすごい

 この機能自体は、iPhoneやGalaxyなど多くのハイエンド機で既に採用されているが、これで広角マクロと望遠マクロの両方が使えるようになったのである。

広角カメラ

 続いて、メインカメラである広角カメラ。画素数だけを見ると、前モデルと同じ約4800万画素だけど、センサーサイズが1/1.35型と大きくなっている。

 早速撮ってみよう。


広角カメラ(24mm相当)でガスタンク。特に言うこともない程度に高画質だ

広角カメラの2倍ズーム(2x:48mm相当)でガスタンク。ディテールも滑らかで、細いワイヤーもなんとか描写できている

 暗所撮影も強い。暗めの部屋で伸びをしたうちの黒ネコが、両前足をぐにーと伸ばした瞬間に思わずシャッターを切ったのだけど、予想以上にちゃんと撮れていた。


決して明るくはない室内でネコと遊んでいたら撮れた1枚。両前足を伸ばした瞬間で、よいポーズが撮れました

 広角カメラに関しては、もう特にいうことはないかな。他の作例を見てみよう。


縁結びで有名な神社で1枚。日差しが強くてコントラストが高い構図だったが、いいバランスで色も階調も出ているのはさすが

等倍(24mm相当)でモデルさんを撮影。HDRが働いて、顔の影も柔らかくなっている

2x(48mm相当)でホットサンド。室内だったが、色もしっかり合っている

 なお、ある程度以上暗くなると自動的に「夜景モード」に入るけど、カメラの基本性能が上がっているので、かなり暗くないと夜景モードに入ってくれないのだった。


夜でもしっかり撮れている。暗部を明るく持ち上げすぎないのがいい

望遠ズームカメラは前モデルと大きく変わらず

 望遠ズームカメラは85~170mm相当(カメラアプリの倍率表記だと3.5~7.1x)の光学ズームレンズを搭載している。こちらは前モデルと同じ約1220万画素のセンサーだ。


7.1x(170mm相当)で撮影中。この望遠性能はよい

85mm相当(3.5x)でガスタンク。超広角/広角カメラに比べると画質はちょっと落ちるけど、それはしょうがない

170mm相当(7.1x)でガスタンク。光学ズームだけで、ここまでいける

 デジタルズームを併用すると、最大で510mm相当(倍率表記だと21.3x)まで行ける。無理にディテールをシャープにせず、かといってデジタルズームならではの不自然さもあまり感じないのがいい。


最高倍率(21.3x)まで上げてみた。無理にシャープネスをかけてないので、少しモヤっているけれど、不自然さをあまり感じないのがいい点だ

 では、他の望遠作例も見てみよう。


170mm相当でお辞儀してる逆光のヒマワリ。見るからに暑そう……

170mm相当の望遠で、走り去る電車(東京メトロ16000系)を連写した中の1枚。フォーカスもしっかりと合っている

85mm相当で望遠スナップ。店頭飾ってあったマネキンの服があまりに煌びやかだったので狙ってみた。キラキラもしっかり描写してくれている

 85mm相当のズームは、ポートレートにも向いている。そこでポートレートモード(ぼけモード)でも撮ってみよう。


85mm相当の望遠でぼけモード。ちょっと不自然さもあるけど、エッジの処理はけっこうしっかりしている

 望遠カメラといえば、先代で採用された「テレマクロ(望遠マクロ)」も忘れてはならない。これ、光学ズームの望遠レンズを使ってマクロ撮影できるので、今までスマホでは撮れないような写真を撮れて重宝したのである。

 ただ、このモードはマニュアルフォーカスなので、ピント合わせはちょっと大変。画面を見ながら(拡大表示は可能)ピントを合わせてシャッターを押そう。


テレマクロモードで撮ったカフェラテの泡。フォーカスを合わせたら油断せずすぐ撮ることがポイントだ

 Xperia 1 VIIでこれがAF対応しないかなと思っていたけど、しなかった。残念。来年はぜひAF対応してほしい。

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