シャープが「AQUOS sense10」発表 進化したプロセッサ、カメラと通話を快適にする新AI機能を搭載して6万円台
シャープが最新ミッドレンジスマートフォン「AQUOS sense10」を11月13日に発売する。プロセッサにSnapdragon 7s Gen 3を採用し、AQUOS sense9からCPU、GPU、AI性能が向上。通話時に周囲の雑音をカットして自分の声を聞こえやすくする新AI機能も備える。
シャープが10月31日、スマートフォンAQUOSの新モデル「AQUOS sense10」を発表。11月13日に発売する。海外では台湾、インドネシア、シンガポールでも順次発売する。
国内ではドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイル、J:COM MOBILE、オープンマーケット向けで販売する。シャープ直販のCOCORO STOREでの価格は、6GB+128GB構成が6万2700円、8GB+256GB構成が6万9300円(いずれも税込み)。
AQUOS sense10は、ミッドレンジスマートフォン「AQUOS sense」シリーズの最新モデル。2024年に発売した先代「AQUOS sense9」のデザインを継承しながら、プロセッサやカメラなどの基本性能を底上げしつつ、新たなAI機能も追加した。
プロセッサにQualcommの「Snapdragon 7s Gen 3」を採用しており、AQUOS sense9が採用していたSnapdragon 7s Gen 2と比較して、CPU性能が約20%、GPU性能が約40%、AI性能が約30%向上している。メインメモリとストレージの構成は6GB+128GBと8GB+256GBの組み合わせがあり、microSDスロットも備えている。
ディスプレイは、約6.1型のフルHD+(1080×2340ピクセル)のPro IGZO OLEDを採用しており、コンテンツに応じて1~120Hzの駆動が可能。毎秒120回の更新時に黒画面を挟むことで、対応のゲームアプリで最大240Hz相当の滑らかな表示も可能としている。シャープの調べでは、内蔵の5000mAhバッテリーと合わせ、フル充電から1日10時間の利用で2日間使用できるとしている。
アウトカメラは有効約5030万画素の広角(標準)と超広角の2眼となっている。広角カメラはセンサーを一新し、ハイエンドモデル「AQUOS R10」と同じ1/1.55型のセンサーを採用する。AIによる合成処理技術にも対応し、RAWデータを超える情報量で画像処理することで、ズームやナイトモードで撮影する際の精細さや階調感が向上するという。望遠カメラは備えていないが、広角カメラのクロップズームを使うことで、画質劣化を抑えた2倍望遠ズームが可能。
さらに、AQUOS senseシリーズとしては初めて料理やテキストを撮影する際に写り込んだ影をAIが自動で除去する機能を搭載。ガラス越しに撮影する際の反射を軽減する「ショーケースモード」も新たに用意した。インカメラは有効約3200万画素だ。
カメラアプリには8種類の「PHOTO STYLE フィルター」を追加。プロのフォトグラファーが監修したという「夕映え」「クールナイト」「カフェ&バー」「夏色」「シネマフィルム」「モノクローム」「平成POP」「昭和レトロ」のフィルターを撮影時に利用できる。
新たなAI機能として「Vocalist(ボーカリスト)」を搭載。あらかじめ自分の声を登録しておくと、通話やオンライン会議などで自分が話す際に、周囲の雑音をAIが識別してカットし、自分の声だけを相手に聞こえやすく届けられる。標準の通話アプリだけでなく、LINEやRakuten Link、Xなどのアプリも対応している。外出先での通話やオンライン会議などに役立つ機能といえる。
AQUOS senseシリーズとして初めて上下にスピーカーBOXを装備。AQUOS sense9との比較で体感音圧が約25%、音楽再生時の低音域の音圧が約85%向上したという。スピーカーホンでもより相手の声が聞こえやすくなる。
カラーはデニムネイビー、カーキグリーン、ペールピンク、ペールミント、フルブラック、ライトシルバーの6色で、販路によって採用カラーは異なる。これら6色は「カジュアル」「キレイメ」「ベーシック」という3つのファッショントレンドから着想を得ており、さまざまな年代の男女が使えるよう選定した。ちなみに、AQUOS sense10はsense9とサイズや形状が同じため、sense9のケースを流用することもできる。
本体色に合わせた純正ケースを発売する他、スニーカーブランド「SPINGLE」とコラボしたケースも用意する。さらに、シャープ認定のアクセサリーとして、ジーンズブランド「児島ジーンズ(KOJIMA)」「BLUE SAKURA」とコラボした、デニム生地を使ったケースも販売する予定だ。
OSはAndroid 16をプリインストールしている。本体サイズは約73(幅)×149(高さ)×8.9(奥行き)mm、重量は約166g。本体はIPX5とIPX8の防水とIP6Xの防塵(じん)、「MIL-STD-810G」の耐衝撃性能をサポートしている。SIMはnanoSIM+eSIMのデュアルSIMとなっている。
AQUOS sense10の発売に合わせ、購入者に対して5000円または5000ポイントをプレゼントするキャンペーンを実施する。2025年11月13日から2026年1月15日(一部モデルは1月22日)までにAQUOS sense10を購入して応募すると、dポイント、PayPayポイント、または現金で5000円相当をプレゼントする。
関連記事
シャープが10月31日に新スマホ発表へ AQUOS senseシリーズの後継機か
シャープが、10月31日にAQUOS関連の新製品を発表する。スマートフォンAQUOSの公式サイトでティーザー画像を公開している。AQUOS senseシリーズの後継機である可能性が高い。シャープ「AQUOS sense9」発表 先代から大幅刷新のデザインに、ステレオスピーカー搭載
シャープは11月7日にスマートフォンのミッドレンジモデル「AQUOS sense9」を発売する。豊富なカラーバリエーションとアップデートされたディスプレイ、オーディオ性能などを特徴とするグローバルモデル。日本に加え、台湾、インドネシア、シンガポールでも順次発売する。「AQUOS sense9」をじっくりと試す 抜群のディスプレイ搭載、必要十分を満たした“新定番スマホ”だ
AQUOS sense9をレビューする。Pro IGZO OLEDディスプレイの鮮明な映像表現と5030万画素のデュアルカメラを搭載し、コンパクトなサイズ感ながら上質な使い心地を実現したシャープの新ミッドレンジだ。シャープに聞く「AQUOS sense9」の進化と「AQUOS R9 pro」を作ったワケ 根底に“AQUOS R9の刷新”あり
2024年にスマートフォンAQUOSのデザインを刷新したことに伴い、「AQUOS sense9」も見た目や中身が大きく変わっている。同時に発表された「AQUOS R9 pro」では、カメラに特化したスマホというコンセプトをより先鋭化させた。シャープはこの2機種をどのようなコンセプトで開発したのか。シャープ「AQUOS R10」はなぜ“生々しい”のか 開発陣に聞く「撮る・見る・聞く」の進化
シャープが2025年夏、日本市場で売り出す「AQUOS R10」と「AQUOS wish5」の2機種。AQUOS R10は2024年のフルモデルチェンジを経て開発されたミッドハイでシリーズの標準モデル。R10のコンセプトから、カメラやディスプレイ、それにAI機能に至るまで、シャープで商品企画やソフトウェア開発、機構設計に関わった方々にインタビューした。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.