コラム
“NHK受信料”の督促に温度差 警察には「丁寧な周知」も、国民には「法的措置」(3/3 ページ)
NHKは公平負担を掲げ未収対策を強化、未払い世帯への法的措置など国民への厳しい徴収姿勢を鮮明にする。一方、愛知県警など複数の警察組織で捜査用車両のカーナビ受信料が長期間未払いだった驚愕の実態が発覚した。質問状への回答から、公的機関には甘く国民には冷徹というNHKのいびつな二重基準が見えてきた。
「公平」の定義が揺らいでいる
そもそも、放送法第64条に基づく受信料制度は、公共放送を支える根幹であり、公平負担の原則は尊重されるべきだが、その「公平」の定義が揺らいでいる。
身内である公的機関の組織的な未払いには「丁寧な周知」で済ませ、捕捉困難なカーナビには「自己申告の義務」を盾にし、一般家庭には不透明な基準で「法的措置」をちらつかせる。
特に、警察車両の未払いが見逃されてきた事実は重い。彼らは「受信料特別対策センター」から督促を受け、民事手続きを迫られただろうか? おそらく、事務的な修正手続きだけで済まされたはずだ。
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NHKが掲げる「未収対策の強化」が、単に立場の弱い国民への締め付け強化を意味するのであれば、公共放送への不信感は募るばかりだ。
まずは、警察や自治体を含めた公的セクターの全数調査を行い、身ぎれいにしてからでなければ、国民に対して“公平負担”や“法的措置”を口にするのはいかがなものかと思う。
「受信料で成り立つ公共放送NHK」の立場や方針、その在り方を貫くならば、受信料督促の手法も、誰に対しても公平で、かつガラス張りの透明性が求められるはずだ。ブラックボックスの中に逃げ込むような回答では、真の理解は決して得られないだろう。
NHKは未収増を防ぐため、ネット広告やインフラ企業連携などの営業活動に加え、さらなる対策強化が必要だと判断している。だが、「受信料で成り立つ公共放送」の在り方を貫くならば、督促手法もブラックボックスに逃げ込まず、誰に対しても公平かつ透明性を徹底すべきではないか。不透明な回答では、真の理解は決して得られないだろう(出典:NHKニュースリリース「支払督促による民事手続きを強化します」)
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