OPPOの研究施設で見た「業界標準を超える」スマホの作り方 電池寿命を延ばす素材、24時間365日稼働のテストも(2/3 ページ)
OPPO本社の研究施設にて、次世代の品質技術「Apex Guard」について取材した。品質向上のために新素材を開発し、金属やガラスもほぼ自社で製造しているという。パフォーマンスや電池持ちを向上させる開発にも注力している。
パフォーマンスや電池持ちを向上させる開発にも注力
OPPOはAndroidをベースとする独自の「ColorOS」を開発し、ユーザー体験を向上させることにも注力している。プレゼンテーションでは、機種のグレードに関係なく、長期的に快適に使えることを強調した。それらソフトウェアに関するラボも案内した。
数万台のスマホを同時にテストできる「インテリジェント端末試験ラボ」には、黒い大きな箱が並び、その中で多くの端末が動作していた。世界中の1万以上のサードパーティー製アプリの互換性がテストしているとのことで、日本向けの「Yahoo」アプリが表示されている端末も見かけた。ほとんどのプロセスが自動化されていて、24時間365日稼働しているという。
続いて案内されたのが「電力消費インテリジェンスラボ」だ。100セット以上の高度な機器を備え、自社で開発した自動化ソフトウェアで24時間365日稼働できるという。ロボットによって端末が運搬され、評価装置に設置された端末は無人で操作されていた。動画を見る、ゲームをするなど、さまざまなシナリオでの電力消費をテストするラボだ。
最後に案内された「通信ラボ」は、スマホにとって非常な重要な通信技術について研究する施設だ。OPPO独自の通信チップ、ネットワーク接続性能を高める「AI LinkBoost」、360°サラウンドアンテナ設計などは、無線で行うあらゆる機能がテストされている。
スマホのR&D施設でよく見かける電波暗室もあったが、マイクロ波をテストする機器は業界初の完全自動化を実現している。ロボットアームが自動的に端末を設置し、テストする様子も披露した。
OPPOではスマホの製造工程の85%、評価テストの90%が自動化されており、さらに自動化率を高める計画とのこと。
防水性能の効果を確認するために端末を分解
Apex Guardの概要を紹介するワークショップが開催された部屋では、いくつかのデモも披露した。
例えば、他社より一歩進んだ防水性能をアピールするべく、氷水、洗剤が入った水、牛乳、コーラなど8種類の液体を入れた容器にスマホを沈めて、取り出した後に正常に動作することを確認するデモも披露した。
実際の防水テストでは、一定時間浸水させた後に乾かした後、分解して内部への影響を確認する。それを再現するように、端末を分解するデモも披露した。新製品の発表会などで、あらかじめ分解された基板や部品が展示されることは多いが、目の前で分解され、細かい部位についてまで説明を受けたのは初めての体験。全くモノは違うが、“マグロの解体ショー”ならぬ“スマホの解体ショー”といった趣だった。
さらに、30度の環境で長時間ゲームを続け、端末の温度やパフォーマンスを確認したり、48カ月の経年劣化後のパフォーマンスを調べたりするデモも披露した。
関連記事
OPPOが「新フラグシップスマホ」を12月16日に発表へ 「Find X9」シリーズか
OPPO(オウガ・ジャパン)が12月16日に、国内で新フラグシップスマートフォンとAI機能を発表することを、X公式アカウントで予告している。キーワードのヒントから、「Find X9」シリーズの可能性が高い。12月16日に開催する発表会に、OPPOファンを抽選で招待する。OPPOが全スマホにAIを搭載していく理由、「全機種におサイフケータイ」の議論も オウガ・ジャパンに聞く
OPPOのスマホやタブレットなどを日本で展開するオウガ・ジャパンは、最新モデルの「OPPO Reno13 A」と「OPPO Reno14 5G」を投入している。これら2機種にはクラウドベースの「OPPO AI」を搭載しており、ミッドレンジモデルのReno13 Aでも、かなりの数の機能を利用できるのが特徴だ。最新モデルの特徴やAI機能の方針について聞いた。極薄折りたたみスマホ「OPPO Find N5」を試す 驚きのボディー、日本未発売でも「欲しい」と実感した理由
利便性重視の折りたたみスマートフォンがほしい人におすすめしたいと思える端末を触った。それが「OPPO Find N5」だ。大きな売りとなっているのが閉じた状態での厚みが9mmを下回ることだが、それ以外の魅力はあるのだろうか。OPPOが3年ぶりハイエンド「Find X8」を投入する真意 カメラはライカと競合せず、折りたたみはキャリアとの協業がマスト
OPPOのスマホやタブレットなどを日本で手掛けるオウガ・ジャパンは、約3年ぶりとなるハイエンドモデル「OPPO Find X8」を発売した。ハイエンドモデルを望む日本ユーザーの声に応えた形だ。とはいえ、なぜ3年ものブランクが空いてしまったのか。OPPOのスマホ工場を見て感じた「品質至上主義」/フラグシップストアで5Gを体感
OPPOの工場は、深センから車で40分ほどの広東省東莞市にある。今回公開されたのは、ハードウェアのテクノロジーを研究する「Hardware Engineering Lab」、マザーボードなどの基板を製造する「SMT Center」など。中に入って、「従業員の邪魔になるのでは?」と心配になるほどの距離で見せてもらえた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.