OPPOのスマホ工場を見て感じた「品質至上主義」/フラグシップストアで5Gを体感:OPPO INNO DAY 2019(1/2 ページ)
OPPOの工場は、深センから車で40分ほどの広東省東莞市にある。今回公開されたのは、ハードウェアのテクノロジーを研究する「Hardware Engineering Lab」、マザーボードなどの基板を製造する「SMT Center」など。中に入って、「従業員の邪魔になるのでは?」と心配になるほどの距離で見せてもらえた。
OPPOは、12月10日〜11日に中国・深センにて「OPPO INNO DAY 2019」を開催した。1日目には、CEOのトニー・チェン氏の基調講演を皮切りに、パネルディスカッション、グループインタビューなどが行われた。2日目は、メディア向けの工場見学ツアーが行われた。
OPPOの工場は、深センから車で40分ほどの広東省東莞市にある。デジタル機器・部品の工場が多く、発展が著しい都市だ。筆者は、2018年3月にOPPOの工場を見学したことがあり、今回が1年9カ月ぶりの訪問だった。
海外メディアに組み立てラインまで公開したが、撮影は禁止
OPPOの工場見学ツアーには、大型バス3台で向かった。きっちりとは確認していないが、OPPOが事業を展開する各国からの取材陣が100人以上参加していたと思う。“団体客” と言っていいだろう。
2018年3月に訪れた際は、OPPOが日本に進出した直後のタイミングで、日本のメディア向けのプレスツアーだった。OPPOの物作りの姿勢を日本にアピールしたいという意図があったのか、ほとんどの場所で撮影が許可され、全ての写真にクレジット(ウオーターマーク)を付ける約束で、記事への掲載も認められた(参考記事)。
今回、メディアに公開された施設や製造工程は、前回と同じ場所が多かったのだが、今回はほとんどの場所が撮影禁止。工場内の建物に入る際に、スマホのカメラにシールが貼られた。工場は、未発表の製品や社外秘の技術など、機密情報が多い場所なので当然といえば当然だが、2018年よりもいっそうセキュリティが強化された印象を受けた。
今回公開されたのは、ハードウェアのテクノロジーを研究する「Hardware Engineering Lab」、マザーボードなどの基板を製造する「SMT Center」、組み立てから梱包(こんぽう)までのラインが並ぶ「Assembly Line Workshop」、そして、品質管理のためのテストを行う「QE Lab」だ。ガラス越しではなく、中に入って、「従業員の邪魔になるのでは?」と心配になるほどの距離で見せてもらえた。
撮影は禁止されたが、OPPOからプレス向けの画像が提供された。約2万人が勤務しているそうだが、「SMT Center」は、人よりも機械が主役といった雰囲気。出入室には顔認証システムが導入されていた(提供:OPPO)
なお、2018年に訪問した際は、組み立て工程は見せてもらえなかったと記憶している。恐らく、そのときに未発表の製品を製造していたからであろう。今回は、海外で販売中の「OPPO Reno 2」が組み立てられ、梱包されていた。そこは従業員が多く、1台ずつ製品を手に取って、細部まで目で確認されていた。
厳しい品質テストは150以上に及ぶ
OPPOは、全ての製品をこの工場で製造し、自社で品質管理をしているという。スマホの製造過程を取材できる機会はそんなにないので、他社との比較は難しいが、OPPOは特に品質管理に力を入れているように見受けられた。そのためか、品質チェックを行う「QE Lab」だけは撮影が許可された。そこで行うテストの総数は150以上に及ぶとのこと。
例えば、スマホを一定の高さから、いろいろな角度で合計4万2000回も落下させたり、電源キーを1kgの重さで10万回押したり、指紋センサーに100万回タッチしたり……。さらに、スマホに水を噴射する防水テストや、−50℃〜85℃の環境での耐久テストなど、言うなれば、スマホをいじめまくる空間だった。厳しいテストの対象は、スマホ本体だけでなく、付属のUSBケーブルにまで及ぶようだ。
2018年に見学した際にも感じたことだが、工場内は清潔感があって明るい。従業員のほとんどが20代だと思うが、研究部門ではカジュアルな服装の従業員も見かけ、働きやすそうな雰囲気も感じられた。
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