OPPOの研究施設で見た「業界標準を超える」スマホの作り方 電池寿命を延ばす素材、24時間365日稼働のテストも(3/3 ページ)
OPPO本社の研究施設にて、次世代の品質技術「Apex Guard」について取材した。品質向上のために新素材を開発し、金属やガラスもほぼ自社で製造しているという。パフォーマンスや電池持ちを向上させる開発にも注力している。
工場の自動化も進行 以前より多い180以上の品質テストを実施
筆者は2018年3月と2019年12月にOPPOの工場を取材したことがある。その工場は、現在「長安キャンパス」として稼働中。今回も製造ラインや品質検証の設備を見学させてもらったが、残念ながら撮影禁止だった。以前は、防塵(じん)服を着て、工場内に入ることができ、多くの場所で撮影も許可された。「ここまで撮らせてもらっていいのか」と驚いたことを記憶している。今回は、多くの場所ではガラス越しでの見学だった。以前より従業員が少なく、オートメーション化が進んでいた。
Apex Guardのための品質テストは180以上とのこと。以前は「150以上」だったので、条件がシビアになり、新たな試験も追加されたようだ。例えば、折りたたみスマホのヒンジの強度や、薄型スマホのひねりへの耐性などは、ここ数年で追加されたものだろう。落下テストの条件が厳しくなっていたり、回転する巨大タンブラーの中にスマホを入れて防水性能をテストされたり、初めて目にするものも多かった。
一切の撮影が禁止された長安キャンパスとは逆に、新しい濱海湾キャンパスでは、メディアに公開された施設において撮影が規制されることはなかった。今回も、やはり「ここまで撮らせてもらっていいのか?」と感じた。最先端をアピールするために、あえて年季が入った長安キャンパスを撮影させなかったのではないか、と思ったほどだ。
以前に取材したときと大きく変わったと感じたのは、人が少なくなったことだ。スマホの機能としてAIが注目される昨今だが、開発現場においては、既に当たり前のようにAIが導入され、人が減りつつあることを実感した。
余談だが、今回のメディアツアーの自由時間に、深セン市で無人の自動運転タクシーに乗車してみた。スムーズに車線変更したり強引な割り込みに対して道を譲ったり、道を横断する人を検知して速度を落とすなど、思っていた以上に安全に運行されていることを確認できた。未来を感じつつ、人の役割が大きく変わりつつあることを考えさせられた。
(取材協力:オウガジャパン)
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