人混みのコミケ107で「ドコモの通信速度が爆速」 “つながりにくさ”をどう改善?(2/2 ページ)
NTTドコモは12月30、31日のコミケ107にて、通信品質向上のための対策を実施した。大規模イベント特有の通信の輻輳(混雑)を解消し、つながりづらい状況を改善することが目的。ネットワーク部の担当者が、5G等を活用した具体的な通信強化策について報道陣に説明を行った。
担当者が粘った2カ月の交渉と西待機列の補強
今回の通信対策において、最も困難を極めたのが西待機列、特につどい橋から夢の大橋周辺のエリア改善だ。古橋氏は「2023年の時も冬に向けて出そうと折衝を頑張ったが、当時は出せなかった。ここは2年越しでようやく出せることになった。担当者が2から3カ月ずっと粘り強く交渉し、ようやく設置許可をもらえた念願の臨時基地局だ」と、その舞台裏を明かした。この執念の交渉により、他社に負けない強力なエリアを構築できたと胸をはる。
では、その臨時基地局によって、どの程度の効果が得られるのだろうか? ドコモは12月30日、一部の報道関係者に対し、「ドコモスピードテストアプリ」を用いて速度測定の結果を開示した。西待機列の場となったつどい橋付近での計測では、NSAの下り1.8Mbps/上り4.6Mbpsだったのに対し、SAは下り132.9Mbps/上り19.7Mbpsと、下り通信速度において圧倒的な差を記録した。
一方、東待機列にはドコモ初となる3セクタの「MMU(Massive MIMO Unit)」搭載移動基地局車を導入した。MMUは従来のアンテナより2倍以上の通信性能を持ち、一人一人に専用の周波数リソースを提供する技術だ。古橋氏は「東待機列は全てMMUでカバーしており、完成形に近づいている」と自信をのぞかせる。
東待機列に設置された3セクタのMMU搭載移動基地局車の上部を確認したところ、本来はさらに高さを出せる(伸びる)アンテナをあえて低くしていた。これは収容能力(一度に接続できる人数やデータ量)を向上するための工夫だという。このエリアでの速度測定結果は、NSAの下り125Mbps/上り20.7Mbpsだったのに対し、SAは249.2Mbps/上り44.3Mbpsと、こちらも下り通信速度で圧倒的な差を記録した。
このほか、ドコモは屋内についても全ての既存局で5G SA化を終えており、会場のどこにいても高速通信が享受できる環境を整えた。
SNSの確認と遊撃班の現地派遣を継続
技術的な設備増設に加え、ドコモは利用者の「生の声」を重視している。SNS上の投稿を確認し、通信速度への不満や特定のスポットでの不具合が報告されれば、即座に対応する体制だ。ドコモ広報は、「気になる投稿があり、臨時基地局で対応できるエリアであれば、現場へスタッフを派遣して改善を図る遊撃班を2024年から継続して投入している」と説明する。
5G SAオプションの申し込み方法と利用上の注意
快適な通信を実現する5G SAは、個人向けにはオプションサービスとして提供されている。月額料金は550円だが、現在はキャンペーンにより追加料金なしの無料で使用できる。申し込みはWeb上の「ドコモオンライン手続き」や「ahamoオンライン手続き」「ドコモオンラインショップ」のほか、ドコモショップ等の取扱店で行える。My docomoから手続きすることも可能だが、サービス名を探すのが手間な場合は、5G SAの公式ページにある「お手続きサイトへ」のリンクをタップするのが最短ルートだ。
ドコモ広報によれば、5G SAオプションは申し込み完了後、即時に適用され、エリア内であればすぐに利用可能となる。古橋氏は「電池持ちを気にして5G設定をオフにしている人もいるが、こうした集客イベントではぜひオンにして来てほしい。その上でSAに入り、快適な通信を体感してほしい」と、利用者に強く呼びかけた。コミケ50周年という節目において、ドコモは最新技術と泥臭い現場努力の両輪で、世界最大の祭典を支え続ける。
関連記事
ドコモ、コミケで「5Gを使ってほしい」 23年の反省を生かし5Gを重点強化、遊撃班が“SNS対応”も
NTTドコモは、12月29日と30日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催されるコミックマーケット105に向け、通信品質向上のための対策を実施する。その2日前にあたる27日、一部の報道陣を招き、具体的な対策内容を明らかにした。今回は「会場内の全面的な5G SA化」が大きなポイントとなっている。KDDIとソフトバンク、“5G SA”などで「コミケ107」の通信品質対策
KDDIとソフトバンクは、東京ビッグサイトで開催されるコミケ107で通信対策を行う。会場周辺のネットワーク混雑に対応するため、移動基地局の配備や既存設備の増強を事前に実施する。年末恒例の大規模イベントにおける通信品質の維持に向け、各社が技術力を結集して安定した接続環境を整える。KDDIの5G SAエリア年度末9割超に 「ミリ波で具体的に何ができるのか」も提示し普及へ
KDDIの松田浩路社長は11月6日の決算説明会で、今後のネットワーク戦略の柱として、5G SA(スタンドアロン)のエリア拡大と、ミリ波の本格的な普及に注力する方針を明確にした。5G SAは2026年3月期第4四半期(2026年1~3月)までにエリア90%超を目指す。ミリ波の具体的なユースケースを創出し、普及を加速させたい考えだ。ソフトバンクのネットワーク品質が向上しているワケ 鍵を握る「5G SA」と「4つの技術」
ソフトバンクがネットワーク品質を高めている秘訣(ひけつ)を解説。エリア構築においては、途切れないように5Gを面展開した後、容量が必要な場所に周波数を重ねている。5G SAも積極導入し、カギになっている技術は大きく分けて4つあるという。ソフトバンクの5G戦略 あらゆる周波数を最大限活用、SAエリアも拡大して体感速度を上げる
ソフトバンクは5G SAの拡大に注力しており、東名阪の中心部だけでなく、その周辺も広範囲でSA化を進めている。TDDやFDDの周波数を特性に応じて活用し、ユーザーの体感速度を上げていく。対応機種の少ないミリ波については、バックホールの回線としても活用していく。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.