韓国から“ケータイ型Androidスマホ”が日本に上陸したワケ 3G停波の受け皿を狙う「ケースマ」の勝算:石野純也のMobile Eye(2/3 ページ)
韓国のスタートアップ企業であるALTが、テンキー搭載スマホを引っ提げて日本市場への参入を表明した。同社はAppleとサムスンが君臨する韓国でニッチ市場を攻略しており、日本でも3G停波に伴う乗り換え需要を狙い撃つ。今後は日本特有のニーズに応えつつ、強みであるキッズ向けスマホの展開も視野にビジネス拡大を目指す。
3G停波も見越してケースマから投入、フル機能使えるAndroidとして差別化を図る
この時期にALTが日本市場に参入したもう1つの理由が、ドコモの3G停波だ。現状では、4G以降の端末への移行は進んでいるものの、依然として50万程度の契約者が3Gケータイや3Gスマホにとどまっている。ドコモ自身が一部端末の大幅な割引を提案している他、競合のKDDIやソフトバンクもドコモからの乗り換えを獲得すべく、3GケータイからのMNPに絞った割引を強化している。
3Gが停波する3月末に向け、流動性が高まっているといえる状況だ。ALTの日本参入は、この獲得合戦に間に合うことも意識したという。金氏によると、「3G停波の件は重々承知しており、正直なところ、もう少し早く発売したかった」という。乗り換えが活発化することを想定し、開発を進めた結果、何とか停波の前に発売できたというわけだ。
また、「3G停波後も4Gケータイを使っている方がかなりいるので、そういった方がケースマに乗り換えていただければいいと思っている」(同)とする。ケータイユーザーをターゲットに設定する上で、より料金が安いMVNOとタッグを組んだのは正解といえる。イオンモバイルのように幅広い層が訪れる店舗を持つ事業者であれば、買い替えも促しやすくなる。
一方で、日本にはFCNTや京セラなど、既にシニア向けやキッズ向けの製品を手掛けているメーカーも存在する。海外メーカーでは、ZTEもキャリアの求める端末をODMに徹して開発することで有名だ。李氏が「2年かけて市場調査をしてきた」と語っていただけに、ALT側も当然、そのような状況は熟知している。日本でLGやソフトバンクに勤務してきた金氏も、「FCNTや京セラが何十年もやってきている」と語る。
ただ、「それでも日本にはまだガラケー(旧来型の携帯電話)を使っているユーザーがいる」(同)のも事実。こうした端末では、LINEやPayPayといった生活に密着したサービスも利用できない。また、シニア向けのスマホはいずれもキーボード非搭載だ。「その中にも、もしかしたらLINEが使いたい方がいるかもしれない」(同)――そんなニーズに応えられる端末のバリエーションは、非常に少ない。ALTがケースマで狙うのは、その市場だ。
「キャリアに聞くと、何としてもガラケーがいいという方がいて、らくらくスマホや低価格の一般的なスマホでアプローチしても、なかなか変えていただけない。一方で、100万(以上)のガラケーユーザーがいるので、スマホに乗り換える1つのきっかけ、プラスワンの選択肢として提供したい」(同)
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