異色のガラケー型スマホ「Mode1 RETRO II」を試す “ケータイユーザー視点”で感じたこと(1/4 ページ)
P-UP World(ピーアップワールド)が2023年10月20日に発売した「Mode1 RETRO II MD-06P」。昨今では珍しい折りたたみ型かつテンキー付きの携帯電話端末だ。フィーチャーフォンを持つ筆者から見た携帯電話としての使い勝手をレビューする。
モーターバイク事業のMoto-UP、携帯電話販売店「テルル」運営元のピーアップなどを傘下に持つP-UP World(ピーアップワールド)が2023年10月20日に発売した「Mode1 RETRO II MD-06P」。昨今では珍しい折りたたみ型かつテンキー付きの携帯電話端末だ。
ニュースリリースで「型はガラケー、中身はスマホ」と表現されている通り、一見するとフィーチャーフォンのようだが、Android OSを搭載しており、スマートフォンのようにアプリをインストールできる。Amazon.co.jpにおける価格は2万9800円(税込み、以下同)だ。
MNOが販売する4G LTE対応のフィーチャーフォンとは何が違うのか、フィーチャーフォンを持つ筆者から見た携帯電話としての使い勝手をレビューする。
見た目はフィーチャーフォン テンキーは押しやすいが、一癖ある仕様に戸惑う
まずは従来型のケータイ(フィーチャーフォン)を想起させる外観とテンキーの使い勝手から見ていく。
見た目はフィーチャーフォンと変わりなく、起動して操作しない限りはまさしくフィーチャーフォンそのものだ。質感はチープな印象を受けず、レザー調の仕上げもあってか手から滑り落ちづらい。
ゴールド基調でサブディスプレイ側と背面側のパネルの中央に赤色の糸で縫ったようなラインがあり、これがアクセントになって本製品らしさを演出している。
閉じた状態でもサブディスプレイで現在時刻を確認できるのもフィーチャーフォンっぽさを感じる。サブディスプレイで確認できるのは日付、現在時刻、バッテリー残量、アンテナピクトくらいだ。着信時には「Calling」と表示される。
バッテリー残量が全くない状態で充電を始めると、サブディスプレイは点灯せず、その上のLEDランプが赤色で点灯し、充電できているか否かを一発で確認できた。LEDランプは日本メーカーの多くがこだわる点だが、本製品でもその細かい配慮がある点はよい。
本製品はワイヤレス充電には対応しないが、USB Type-Cポートを備える。裏表を気にせずにUSB Type-Cケーブル1本を挿してすぐに充電できる点はフィーチャーフォンとは違う。
テンキーの押し心地はどうだろうか。結論から言うと、押しやすい。片手で文字入力したり、十字キーを方向キーにして操作したりできるし、指の届く範囲にキーが収まっている。キーそのものをノートPCのタッチパッド感覚で使える「AQUOS K」の「タッチクルーザーEX」に似た仕様ではないため、キーパッド全体をタッチパネルのように扱うことはできない。
G'zOne TYPE-XXユーザーの筆者からすると、通話/クリア/終話キーのすぐ上に戻る/ホーム/タスクキーがあるのはややこしく感じる。フィーチャーフォンからそのまま本製品に乗り換えると、操作する度にキーを押し間違えてしまいそうだ。
なぜ、戻る/ホーム/タスクキーがあるのだろうか? 冒頭でも触れた通り、本製品は「型はガラケー、中身はスマホ」と表現されている。OSにAndroid 13を採用し、アプリを追加することが可能だからだ。つまり、見た目はフィーチャーフォンでテンキーも備えているのに、スマートフォンのようにOSが載ってアプリを使えるのが、この製品の特徴だ。
戻る/ホーム/タスクはAndroidだとOS標準で備わるし、テンキーのないスマートフォンでは物理ボタンではなく、ディスプレイに表示されるのが当たり前だ。仮に本製品でもディスプレイにこれら3つが表示されると、物理キーのように親指がディスプレイに届かず、片手で操作することが困難になるはずだ。せっかく横幅が約52mmに抑えられているのに、片手で最低限の操作ができないのは本末転倒だろう。
フィーチャーフォンのユーザーにとっては見慣れない、戻る/ホーム/タスクのアイコンに戸惑うだろうが、スマートフォンと同じようにアプリをインストールして、タスクの切り替えをしたり、ホーム画面に戻ったりできることも総合的に判断すると、物理キーとしてこの位置にあるのは当然なのかもしれない。
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