6Gは「AIとロボットのため」のインフラに? MWC 2026で注目を集めた新デバイスと日本発“推しカメラ”(1/2 ページ)
2026年のMWCではAIとロボットが主役となり、通信キャリア各社は6G時代を見据えた新技術を披露した。ドコモの入力デバイスやKDDIの未来型都市デモなど、AIを具現化した展示に多くの来場者が注目した。日本発のペット型ロボットや自由視点映像技術も世界へ発信されており、次世代インフラの可能性を示した。
2026年3月2日~4日にスペイン・バルセロナで開催された世界最大級のモバイル展示会「MWC Barcelona 2026」。現地を取材してきた筆者が注目した展示を厳選して紹介する。
ドコモは6G時代に向けた新デバイスや自律共生ロボットを展示
NTTグループの一員として出展していたNTTドコモは、新しいAIエージェントサービス「SyncMe(シンクミー)」を発表した。さらに、6G時代に向けて開発中の新しいデバイスのコンセプトモデルも展示していた。
1つはメディアクリエーター・落合陽一氏らと開発した「コンポーザー」というデバイスだ。AIが普及する未来において、「果たしてキーボードは必要なのか?」という落合氏の着想から生まれたもので、音声とペンによって入力する仕組み。将来的には、ディスプレイも必要とせず、テーブルの上に描くだけで認識できるようになるかもしれないと説明を受けた。
「センサーレスロボット」は文字通り、ロボットからセンサーを取り除き、外部のセンサーやカメラなどを利用して制御する技術だ。これにより、ロボットのデザインの自由度が高まり、機能拡張の柔軟性も向上する。MWCではドコモダケ型のロボットが展示されていた。開発には、著名なロボット研究者・吉崎航氏も関わっている。
さらに、ユカイ工学と共同で開発した自律共生ロボット「DENDEN」も展示。山間部など人が少ないエリアでも自律的に動作する想定で開発されたもので、6Gによる大容量・高速通信によって、広範な用途が期待される。
これらのデバイスについて説明してくれたNTTドコモ 6Gテック部の永田聡氏は、「5Gまでは人間のために作ったネットワークだが、6G以降はAIとロボットのためのネットワークになるという仮説を立てている」と語り、ネットワークやデバイスが大きく変わる可能性があることを示唆した。
会場に構築したスマートシティーが注目を集めたKDDI
2024年の初出展以来、3年続けての出展となったKDDI。今回は「THE GATEWAY TO TOMORROW’S LIFE」と銘打ち、MWCのブースに“未来の街角”を作り、最新のイノベーションを紹介していた。
来場者から人気を集めていたのは「Smart City」のコーナー。KDDIが本社を構えるTAKANAWA GATEWAY CITYでの取り組みをコンパクトに紹介する趣向で、来場者の関心に合わせた花がプレゼントされ、イベント開催時や災害時などを想定して人流のシミュレーションなども披露された。
そこからつながる「Retail Intelligence」のコーナーでは、AIコンシェルジュ(人型ロボット)による接客、生成AIによる商品開発支援のデモなども体験できた。
今回のMWCはAIが大きなテーマとなっており、通信事業者各社はAI社会を支えるインフラに関する展示に力を入れていた。KDDIもAIデータセンターについての展示を行っていたが、それに加えて、パートナー企業との協業によるAIの具体的な活用法が注目を集めていたようだ。
ZTEはペット型AIロボット「iMoochi」を出展 シャープ「ポケとも」も発見
AIが大きなテーマとなっていた2026年のMWCは、フィジカルAIに関する出展も多く、会場のあちこちでロボットを見かけた。その中で、変わり種のロボットとして注目されていたのが、ZTEブースに展示されていた「iMoochi(アイモーチ)」だ。
中国発の人気キャラクター・ラブブを思わせるかわいいぬいぐるみで、人の声や動作に反応するという。iMoochiに日本語っぽいニュアンスを感じたので、由来を聞いてみると、日本向けのネーミングで、現在、日本だけで販売されているとのこと。実際、2026年2月からクラウドファンディングサービス「Makuake」に出品されている。
開発・製造は、ロボットを専門に手掛ける「申啓紀元」というZTEの子会社が行っている。複数のセンサーを内蔵し、ユーザーが声をかけたり、なでたり、抱きしめたりすると、人の感情をAIが解析し、反応してくれる仕組み。独特の鳴き声で反応したりもするらしい。日本で人気のペット型ロボット「LOVOT」に近い印象を受けた。
実は、Qualcommのブースには、Snapdragonを搭載するデバイスとして、シャープの「ポケとも」も展示されていた。ガラスケースでの展示で、実際の動作は見られなかったが、生成AIとともに進化するデバイスとして、ペット型ロボットの動向にも注目したいと思った。
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