スマホの動画視聴がさらに快適に? 5G通信速度がAIで向上、KDDIとサムスン電子が実証
サムスン電子とKDDIは商用5G SAネットワーク上でAIを用いた無線通信速度最適化の実証実験に成功した。実験では東京周辺の都市部や農村地域でAIモデルをトレーニングし、通信速度が平均31%向上した。両社は今後も手動操作の削減や高速で信頼性の高い接続の提供を目指し、AI商用ネットワークの対応を進める。
サムスン電子は6月30日、KDDIの商用5G SAネットワーク上で、AIソリューション「RSO(RAN Speed Optimizer)」を用いた無線ネットワーク速度最適化の実証実験に成功したと発表した。実験は2025年後半から数カ月間にわたり、東京とその周辺の都市部や郊外、農村地域で実施した。3.7GHz帯の周波数を数百のセルで活用してAIモデルをトレーニングし、多様な環境での最適化を検証した。
実験の結果、ピーク時間帯における試験地域全体の5G通信速度は平均31%向上した。都市部では最大52%の速度増加を記録した。今回用いたRSOは、AIエージェントなどで構成する「Samsung CognitiV Network Operations Suite(NOS)」の1つだ。独自のAI予測モデルがデータを自動で分析し、各セルに最適なパラメータを推奨することで個別セルの最適化を実現する。
この技術はネットワーク環境の変化へ自動で適応するため、通信事業者の手動操作削減とコスト効率向上につながる。利用者には動画視聴やWebブラウジングなどの際に高速で信頼性の高い接続を提供する。KDDIネットワーク担当役員の古畑和弘氏は、長年課題だった基地局単位での個別チューニングがAIで実現可能だと確認したため、今後もAIを活用した技術開発を推進すると述べた。
サムスン電子副社長兼ネットワーク事業部開発チーム長のJune Moon氏も、同社のAI搭載技術が商用ネットワークに高度な最適化通信をもたらし、安定した接続を実現できることを示したと成果を強調した。古畑氏とMoon氏は今回の結果を踏まえ、より広範なAI商用ネットワークの対応を引き続き進める方針だ。両社は今後も多様な環境における通信品質の向上を目指す。
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