コラム

映画館座席の“仮押さえループ”話題に 「大量保持はお控えを」──渋谷HUMAXシネマが苦言

渋谷HUMAXシネマが公式Xで発信した、複数座席の仮押さえとキャンセルを繰り返す行為への注意喚起がSNSで注目を集めている。この問題はスマートフォンから手軽に座席予約ができるオンラインシステムの仕様上の課題を浮き彫りにした。ネット上では劇場への支持とともに、先払い化などシステム改修を求める声が上がっている。

 7月9日15時57分、東京都渋谷区の映画館「渋谷HUMAXシネマ」が公式X(旧Twitter)を通じて発信した注意喚起が注目を集めている。


渋谷HUMAXシネマ(出典:公式サイト)

 渋谷HUMAXシネマの支配人は、ポストに画像を添えて「一部の方による『複数座席の仮押さえと、その後キャンセルを繰り返す』といった事象が見受けられました。購入確定前の座席の大量保持はお控えください」とし、迷惑行為について苦言を呈した。

 一見すると劇場でのマナー向上を呼びかける投稿だが、この事象の背景には、スマートフォンなどから手軽にチケットを取れる「オンライン予約システム」の仕様上の課題が潜んでいるのではないかと、ネット上でさまざまな議論を呼んでいる。本誌は、本件に関してSNS上でどのような声が上がっているのか、そして公式の発表が示す現在の状況についてまとめた。

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渋谷HUMAXシネマからのお知らせ(出典:公式Xアカウント)

推測される“仮押さえループ”の手口とは

 公式サイトの利用規約にも記載がある通り、渋谷HUMAXシネマをはじめとする多くのシネコンの予約システムでは、そもそも決済完了後のチケットのキャンセルや払い戻しは原則不可となっている。では、今回劇場側が指摘した「仮押さえとキャンセルの繰り返し」とは、一体どのような状況を指しているのだろうか。公式から具体的な手口は明かされていないものの、SNS上では、決済前の“セッション保持時間”を利用した行為ではないかと推測されている。

 一般的なオンライン予約では、座席を選択して決済画面に進んだ際、他の顧客との重複予約を防ぐ目的で、その座席は一時的に「仮押さえ(保留)」の状態になる。このことから、決済を意図的に完了させず、時間経過による「自動キャンセル」が発生して座席が解放された直後に、再び同じ座席を仮押さえするという操作を繰り返していたのではないかと推測されている。

劇場への支持とシステム改修を求める声

 この注意喚起がX上で拡散されると多種多様な声が寄せられた。

劇場側の毅然とした対応への支持

 公式が投稿の末尾に添えた「悪質なケースと当劇場が判断した場合は、事前の予告なくご予約の制限や無効化などの対応をとらせていただく場合がございます」という方針に対し賛同が集まっている。

 「渋谷HUMAXシネマの対応は、本当に素晴らしいです。座席の大量仮押さえとキャンセルを繰り返す行為は、他の観客の迷惑でしかありませんし、立派な営業妨害です。悪質な場合は予告なしで無効化するという姿勢を、全ての映画館で導入してほしいですね」

行為のメカニズムに対する推測と疑問

 動機が不透明なこの行為に対し、疑問を抱く声も見られる。

 「仮押さえとはどういうことでしょうか? 座席を指定して15分ほど確保され、決済しないとキャンセルになる時間のことでしょうか? それを繰り返し行っているということでしょうか」

 「15分経てば解放されるため、隣の席を空席にしたいがための行動だとすると、あまり意味がないような気がしますが……」

 「支払い前の、席だけを決めた状態で決済の制限時間まで放置することを繰り返していたのですね。ログインしていなくても、購入手続き中の席から特定できるところまでは考えが及ばなかったのでしょうか」

システムの見直しを求める意見

 さらに一歩踏み込んで、スマホ決済やオンライン予約システムの仕様そのものを変えるべきだという指摘も相次いだ。

 「普通に予約した時点で料金をとるようにすればいいと思います。お金は全て先払いでいいですね」

 「仮押さえシステムをやめましょう」

仮押さえとチケット予約購入システムの関連性や今後の対策は?

 渋谷HUMAXシネマの公式発表では、対象となった映画の作品名や、具体的な操作方法については一切言及されていない。これは、詳細を明かすことで同様の迷惑行為を誘発するリスクを避けるための、慎重な対応だろう。また、「対応をとらせていただく場合がございます」という表現からは、今後の悪質な利用に対する強いけん制と方針説明の段階にあることがうかがえる。

 こうした問題を受け、本誌は運営元のヒューマックスエンタテインメントの広報宛てに、本件の詳細や具体的なシステム対策などについて取材を申し込んだ。これに対し、同社広報からは以下のような回答が得られた。

 「ご依頼いただきました件につきまして社内で検討いたしましたが、予約システムの仕様および運用に関わる事項であることから、取材への回答は差し控えさせていただくことといたしました。弊社といたしましては、全てのお客様に安心して映画をご鑑賞いただける環境づくりに努めるとともに、利用規約に基づき適切な運営を行ってまいります。ご期待に沿えず誠に恐縮ではございますが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。今後ともよろしくお願いいたします」


広報見解

 予約システムの詳細な仕様や今後の対策については、セキュリティや運用の観点から明言を避ける形となったが、「利用規約に基づき適切な運営を行っていく」という毅然とした姿勢が示された。

 いつでもどこでも座席を確保できるオンライン予約は非常に便利な反面、一部の心ない利用によって他者の鑑賞機会が奪われてしまう脆弱性も持ち合わせている。便利なシステムを良質な環境で維持できるかは、提供側の適切な運用と、われわれ利用者のモラルの両輪にかかっている。一人でも多くの人が快適に映画を楽しめるよう、ルールとマナーを守った利用を心がけたい。

おことわり

SNS上の意見は、文脈の変わらない範囲で体裁を整えています。

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