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「起動直後に広告を出すなよ」──FamiPay仕様に不満 「ユニクロ」に学べの声も(1/2 ページ)

2024年3月頃からファミペイの起動直後に全画面広告が表示されるようになり、レジ前でのスムーズな決済を阻害するとSNS上で批判が集まっている。本記事では、ユーザーの具体的な不満点を整理するとともに、決済ツールと見なす消費者と広告媒体として活用する事業者の目的のズレを指摘し、あるべきUIとUXの姿を考察する。

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 FamiPay(ファミペイ)の起動直後に決済を妨げる形で全画面広告が表示される──そんな困り感や不満を示すユーザーの声がネットで話題になった。あるユーザーは「ファミペイを起動した瞬間に決済を妨げる形で全画面広告が強制表示された。決済アプリの本質は1秒でも早くバーコードを表示し支払いを完了させることにある」と不満を示した。

FamiPay
FamiPay(ファミペイ)のイメージ。アプリ配信サイト

 ファミペイは、ポイントやクーポン、決済、スタンプ、ゲームなどのサービスを兼ね備えたオールインワンアプリとして、ファミマデジタルワンが提供しているスマートフォン向けアプリだ。

 ……と聞くと、利便性のあるアプリという印象しか抱かないのだが、広告があることで即時決済できる体験を損ない、決済アプリの価値を大きく揺るがしているようだ。ユーザーからは「今日、レジ前でアプリ開いた瞬間『嘘でしょ!?!?!』って変な声出たもん…即、廃止して欲しい」という声や、「消すための×印と紛らわしい形で『X』を配置して誤タップを誘う」設計を指摘する声が上がった。

 店舗側にも悪影響を及ぼしている。いう間でもないことだが、会計が遅れて店舗の混雑を引き起こすためだ。「客にとってはイライラの原因になるだけでなく、店舗側もお昼などのピーク時により多くの客を捌きたいのに、広告が消えるまでの時間が無駄に取られてしまってレジ待ちの列を長くさせることになる」と指摘されており、双方が損をするのだ。

FamiPay
ファミペイは、ポイントやクーポン、決済、スタンプ、ゲームなど多彩な機能を備えたオールインワンアプリだ。日常の買い物をより便利で楽しく、かつお得に進化させ続ける、ファミリーマートの核となるサービスだ(出典:ファミリーマート公式「ファミペイ」紹介ページ)

消費者と事業者の間に生じる根本的なズレ

 今回話題になった全画面広告問題、上記以外に一体何が問題視されているのか。最大の問題は消費者と事業者の間で目的に対する認識のズレが存在していることだ。利用者はアプリを決済のツールと考えている。その一方で、事業者は広告媒体としても活用している。SNSでも「消費者はただの決済アプリだと思ってるけども、事業者としてはアプリを起点に広告を流し込んでナンボという認識のズレがあり解消される見込みがない」と分析されている。

 モバイルアプリは短時間での目的達成が重視される。特に決済アプリは時間的制約が厳しく、わずかな操作の遅れが不満につながる。しかし事業者は収益化を重視する結果、プッシュ型の全画面広告を採用してしまうのだ。広告枠を確保して収益化のために、決済前に不要な情報を押し付ける――という思惑が透けて見えてしまい、ユーザーとの信頼関係を損なう一因となっている。

 この問題は特定のアプリに限った話ではない。SNS上では「楽天ペイも似たようなもので全ての広告が表示し終わるまでバーコードは表示されない」という声が上がっている。「イオンペイ」など他のアプリでも同様に、広告表示で本来の機能が制限されるケースが見受けられるのだ。他社アプリでも利便性を軽視して収益化を急ぐ現状があり、業界全体で利便性が低下しているのだ。

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