モバイルバッテリーの発火不安や劣化の「見えないリスク」を解消 オウルテックが提案する新世代バッテリーの強み
オウルテックは7月28日に新製品発表会を開催し安全性を高めたモバイルバッテリーの新製品を発表した。燃えにくい準固体電池の採用やTFT液晶パネルによる状態表示など独自の技術を詰め込んでいる。8月中旬からドン・キホーテや全国の家電量販店などで順次発売する見通しだ。
オウルテックは7月28日に新製品発表会を開催し、安全性を高めたモバイルバッテリーの新製品を発表した。8月中旬からドン・キホーテや全国の家電量販店などで順次発売する見通しだ。
発火の不安を解消? 新しい電池の仕組みとは
今回発表した新製品の最大の特徴は、一般的なポリマーセルではなく、燃えにくい準固体電池を採用した点だ。従来の製品は内部に電解液を約20%含んでいるが、この新しい電池は液体の量を約5%前後に抑え、電解質をゲル状にすることで安全性を高めている。
従来の電池は充放電を繰り返すことで電解液が劣化し、内部に結晶が生じてしまう。その結晶が正極と負極の間にあるセパレーターを突き破ることで、ショートを起こし発煙や発火に至るというメカニズムを持っていた。
しかし、ゲル状の素材を採用した本製品は結晶ができにくく、長期間にわたって安全に使用できる。仮に強い衝撃などが加わってセパレーターが破損したとしても、発火に至らないのが大きな強みだ。実際にユーザーの安全に対する意識が高まっており、同社が2025年から展開している準固体の製品は、2025年の後半から2026年の前半に向けて売り上げが倍以上に伸びているという。
従来のモバイルバッテリーは内部に電解液を約20%含むが、準固体電池はその量を約5%に抑え、さらに液体ではなくゲル状にしている。そのため充放電による結晶ができにくく、内部のセパレーターを突き破って発火するリスクを防ぐ仕組みだ。万が一破損しても発火しない
独自基準で徹底した安全管理、くぎを刺し試験も
安全性へのこだわりは、製品のテスト段階における徹底した姿勢に表れている。発表会後の質疑応答において、過酷な環境での耐久性試験に関する質問が飛んだ際、オウルテック 営業2部 マネージャー 許秉権氏が自社の品質管理体制について熱く語る場面があった。
許氏によれば、同社には大手企業から定年退職したベテランや、スピンアウトして合流した経験豊富な技術部隊が約10人在籍するという。通常、多くのメーカーは生産工場が外部検査機関から提出された試験データをそのままうのみにしてしまうことが多い。しかし同社は、電気用品安全法で定めるPSEマークの検査項目だけでなく、法規制で見ない項目についても自社の独自基準を満たすよう、生産工場に厳しく求めている。
さらに工場から上がってきたデータに頼るだけでなく、同社側でも自社の技術部隊が全て独自の基準で徹底的な確認を行っている。その最たる例が、満充電した本体に直接くぎを刺して発火の有無を確かめるくぎ刺し試験だ。同社では専用の治具を用意し、自社内で技術部隊が全ての製品に対して、実際にくぎを打ち込んで安全性を確認している。本社内に設計や検査のための設備機器を整え、不具合にも迅速に対応できる体制を構築。同社ならではの、品質に対する絶対の自信が垣間見えるエピソードだ。
あなたにも訪れるバッテリー寿命、買い替え時が分かる新機能
今回の発表会でお披露目した4つの新製品は、それぞれが業界初となる機能やデザインを備え、ユーザーの多様なニーズに応える製品だ。
まず注目したいのが、驚異的な薄さを実現した「超薄型 準固体ワイヤレスモバイルバッテリー 5000mAh」だ。ワイヤレス充電機能を搭載しながら、その厚さは準固体電池モバイルバッテリーで業界最薄級のわずか6.7mmに抑えた。本体重量も約92gと非常に軽く、スマートフォンと重ねて持ち歩いても苦にならないサイズ感を実現した。ワイヤレスでは最大15Wの急速充電に対応し、有線接続用のUSB Type-Cポートを使用すれば最大20Wでの充電が可能だ。
さらに容量を倍にした「超薄型 準固体ワイヤレスモバイルバッテリー 10000mAh」は厚さ11.7mm、重量約160gで最大30Wの出力に対応する。
そして、ユーザーの利便性を大きく変える製品が、TFT液晶パネルを搭載した「あんしんモニター付き レザー準固体ワイヤレスモバイルバッテリー 10000mAh」と「あんしんモニター付き 準固体 多機能ワイヤレスモバイルバッテリー 10000mAh」の2モデルだ。一般的な製品では、電池の残量を4つのLEDランプで大まかに確認することしかできなかった。しかしこの新モデルは、車のメーターのような遊び心のあるグラフィックとともに、電池残量や充放電時の電力などを数値と視覚で正確に把握できる。
劣化状態や充電回数を可視化できることで、スマートフォンのバッテリーが2年ほどで劣化して1日持たなくなるのと同じように、使えば使うほど劣化していくモバイルバッテリーの寿命を把握しやすくなる。
今回の新製品は約2000回の繰り返し使用に耐える長寿命を誇るが、自分がこれまで何回充電したのかを正確に覚えている人はいないだろう。モニターには健康状態を4つのハートマークで表示し、使用回数が約500回増えるごとにマークが減っていく仕組みだ。ハートが4つから3つの時はグリーンで点灯し、2つになるとオレンジに変わる。そして残り1つになり、色が赤に変わった時が、新しい製品への買い替えを検討する最適なタイミングだ。
新製品の寿命管理機能があることで、買い替えのタイミングを逃すことなく、常に安全な状態で製品を利用できる。表示言語も国内ユーザーに合わせて日本語化しており、誰でも直感的に状態を把握できるよう配慮されている。
処分に関しても心配はいらない。同社はJBRCという団体に加盟しており、製品のラベルに社名の記載があるため、不要になった際は家電量販店などに設置している回収ボックスに入れるだけで適切に回収してくれる。安全性という見えない価値を、薄さやモニターという形で可視化した新製品は、私たちが日常的に抱えるささやかな不安を確実に取り除いてくれる存在になるはずだ。
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