「ドコモの銀行」で何が変わる? ドコモFG廣井社長に聞く「通信×金融」の攻勢とグループ戦略(2/3 ページ)
NTTドコモ・フィナンシャルグループが発足し金融事業の統合推進を開始した。廣井孝史社長へのインタビューを通じて新会社の設立背景や今後の成長戦略に迫る。ショップ活用や他社連携を通じグループ全体のシナジー拡大と成長を目指す。
ドコモの料金とバンドルする可能性は?
―― ドコモ側の回線との連携はどのようにお考えでしょうか。
廣井氏 金融事業は成長させなければなりません。ポテンシャルがあるのは、dカードやd払いの決済でデジタルに慣れた方が、ネット銀行やネット証券を使ってくれることで、成長できる可能性があります。まずは、ここにフォーカスしています。もちろん、ドコモSMTBネット銀行やマネックス証券を使っていても、決済にdカードは使いたくないという方もいるかもしれませんが、これらをバンドルしてdポイントを出す取り組みも始めます。こういった事業拡大のチャンスは、すごくあると思っています。
そうなると、今度はドコモが料金プランを考えてくるかもしれません。われわれの金融事業を訴求する価値があると思えば、バンドルしてくるでしょう。われわれは、ドコモのモバイルユーザーにとって価値のある金融サービスとしても作っていかなければなりません。ドコモから、リテンションや新規ユーザーの獲得に効くと認識してもらえるようになれば、問題はないと思っています。
―― 銀行や証券はもともとドコモと関係がなかったので、回線がドコモ以外の方もたくさんいると思います。こういった方をドコモに変えてもらうような取り組みはしていきますか。
廣井氏 そのサービスはドコモ本体が起点になります。もちろん、われわれにはデータがあるので、コミュニケーションはしていきたい。また、ドコモ側が、金融サービスがPayPayやau PAYに見劣りするので、バンドルしがいがないと思われるようなことになるのは避けたいと考えています。
ドコモショップで口座開設 スタッフには金融教育で支援
―― ドコモとの連携という意味だと、ドコモショップでドコモの銀行の口座開設などができるようになります。店舗数も急拡大する目標が示されていましたが、ショップ側の負担が大きくならないでしょうか。本当にあそこまで店舗数は拡大するのでしょうか。
廣井氏 もちろん実行可能なプランにしています。あれをやるには、金融仲介業のライセンスが必要になりますが、このライセンスは一人一人が取るものではなく、会社で取るものです。何十店舗も運営している会社(代理店)が取って、スタッフに正しい金融教育をすることが前提ですが、そういうことをやればできる数字です。
ただ、やはりスタッフさんには得手不得手はもちろんあるので、なかなか難しいという方もいるでしょう。モバイルに加えて銀行となると、できないこともあります。そのため、ドコモショップ向けの支援メニューは考えています。それによって、店舗展開は十分できるようにしていきます。
8月からスタートなので、まさに今、最後の詰めをやっているところです。スタッフの方の金融リテラシーには依存しますし、課題は出てくるとは思いますが、そこはしっかり支援をしていきます。
―― とはいえ、銀行口座の開設だけなら料金がかかるようなものでもありませんし、リスクも低いので証券よりハードルは低そうですね。
廣井氏 そうです。そこはハードルが低いと思っています。証券だと、スタッフ一人一人が資格を取る必要がありますし、得した損したといったことも出てくるので、負担は増えると思っています。
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