KDDIが値上げしても解約率が低下した理由 au、UQ mobile、povoを循環させ「脱・販促費競争」へ(2/2 ページ)
端末値引きで客を取りに行くのをやめたKDDIの1年が、数字になって表れた。2027年3月期第1四半期のスマートフォン解約率は1.17%、モバイルARPUは160円増の4400円。直前の四半期に1.48%まで跳ね上がった解約率を、松田浩路社長の言う「LTV重視」への転換はどう抑え込んだのか。
auショップの問い合わせ、AIが30秒で答える
7月にauショップ全店(約2000店)へ導入したのが「auセールスサポートAI」だ。店舗スタッフからの問い合わせに答えるもので、回答時間は電話の259秒、有人チャットの128秒に対しAIは30秒。月間約20万件あった社内への問い合わせは半減した。ショップでの待ち時間や説明の質にも関わってくる。
通信以外では、個人向けのパーソナルグロースが営業利益9.3%増、法人向けのビジネスグロースが21.6%増だった。金融事業はauフィナンシャルホールディングスの営業利益が37億円の減益となったが、預金増強と金利上昇による時価評価損を織り込んだ想定通りの数字だという。au PAY ゴールドカードの会員数は207万人と46万人増えた。
不正アクセスで1223万人分のメールアドレスが漏えい
モバイルの数字が改善する一方で、この1年のKDDIは不祥事への対応にも追われてきた。会見の後半は、その進展の説明に充てられている。
ISP事業者向けメールシステムへの不正アクセスでは、メールアドレス1223万人分、パスワード762万人分が漏えいした。第三者製ソフトウェアの未知の脆弱(ぜいじゃく)性を突かれた上に、メールシステムに旧来の通信規格が混在していたことが重なった。総務省の行政指導で公表までの時間も指摘された点について、松田氏は「迅速な対応とは言い難いとご指摘いただいたことは厳粛に受け止める」と述べた。
現在は社内の1000を超えるシステムから、顧客情報を多く持つものやインターネットに接続するものを優先して脆弱性診断を進めている。9月末、年内と優先度に応じて区切りを設ける方針だ。
不適切取引では代理店4社に損害賠償請求訴訟
こちらとは別の事案として、グループ会社のビッグローブとジー・プランから代理店へ手数料が不正に流出した不適切取引についても進捗が示された。6月までに対象110社の総点検を完了し、取引先管理やグループ会社のキャッシュフロー管理の整備を進めたという。
外部へ流出した329億円については、代理店4社に対して損害賠償請求訴訟を提起している。
KDDI SUMMIT 2026は10月27~28日に開催
KDDIは10月27~28日に、高輪ゲートウェイコンベンションセンターでグループ最大級のビジネスイベント「KDDI SUMMIT 2026」を開く。オンラインでも同時配信し、企業の業務を担う「AI労働力」と、暮らしを変える「AI生活力」の社会実装事例を紹介するという。
会見ではこの他、許諾を得た約150のコンテンツだけを情報源とする対話型AIサービス「Buffmee(バフミー)」にも触れた。ローソンと組む「ハッピーローソンタウン」は、8月4日に東京都日野市で「日野高幡台店」が開業している。6月の大阪府池田市に続く2店舗目で、集合住宅型としては初の店舗となる。
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