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インフラシェアリングから「周波数シェア」の時代へ ミリ波を落札したJTOWERの次なる戦略石野純也のMobile Eye(1/3 ページ)

JTOWERが説明会を開催し、屋外シェアリングや電波オークションで落札したミリ波活用の展望を語った。キャリアの意識変化によって新設鉄塔や鉄道沿線などの要望が増加し、自社開発の地下鉄向け新装置なども導入を進める。複数の周波数を共有する周波数シェアリングを活用してトラフィック集中地での展開を目指す。

 インフラシェアリングを手掛けるJTOWERは、8月21日に説明会を開催。同社の設備の導入実績などを紹介するとともに、今後の見通しを語った。同社は、装置開発なども手掛ける技術力を売りにしており、2023年にはNTTドコモやNTT東日本、西日本から基地局を設置する鉄塔を取得すると発表。2024年から、鉄塔シェアリングの運用を開始したことでも話題を集めた。

 3月には、地下鉄やトンネルなどの通信環境を整備する移動通信基盤整備協会(JMCIA)の協力事業者に選定され、東北や首都圏エリアの地下鉄に5Gを導入している。21日には、その地下鉄構内に設置する共用中継装置を発表した。


インフラシェアリングを手掛けるJTOWERが、21日に説明会を開催。同社の現状や、新たに落札したミリ波を使った周波数シェアリングの戦略を解説した。写真は同社の田中社長

 基地局設置のコストが増加するなか、キャリアも徐々にインフラシェアリングを積極的に検討するようになっている中、同社が次の一手として打ち出したのが、自社で獲得した帯域をシェアする「周波数シェアリング」だ。21日の説明会では、代表取締役社長CEOの田中敦史氏や、執行役員技術本部長の塩沢真一氏が、その狙いや今後の見通しを語った。

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屋内シェアリングは順調に拡大、キャリアからの要望も増加

 投資コストを効率化しながら、よりエリアを広げて通信品質を上げるため、キャリアがインフラシェアリングを頼るケースが増えている。ビルや地下街などのように、複数キャリアの設備を設置しづらい場所でも、インフラシェアリングの活用が前提になった。

 日本でその先駆けとして事業を展開するJTOWERの田中氏は、「屋内対策については、キャリアも10年前とは全然考えが違う。個社対策ではなく、インフラシェアリングを前提で考えるケースがほとんどになった」と話す。その結果として、同社も順調に業績を伸ばしている。

 田中氏が“前提”と語るように、屋内の導入実績はペースを拡大しており、2025年6月から2026年6月までの1年間で164件増加。導入済み物件数は、874に拡大した。「今期も対策物件数は、過去最高を更新する予定」(同)だといい、それに伴って売上高も伸び続けている。2025年度は、主にドコモやNTT東西から取得したタワーシェアリングの事業が伸び、売上高は176億円に達した。


インフラシェアリングを導入している物件は、874まで拡大した

シェアリングのニーズ拡大を受け、売上高も過去最高を更新している

 3月には、JMCIAの協力事業者として地下鉄構内での5G導入も進めている。JTOWERは、一般的なシェアリング事業者とは異なり、自社で設備を開発し、日本のキャリアの環境に合わせた対応を得意とする。地下鉄対応でも新たな装置を開発し、2027年からの導入を目指す。21日に発表された地下鉄向けRemote Uniteがそれで、塩沢氏によると、「駅ホームや構内は防塵(じん)に対応する必要がある」という。


JMCIAの協力事業者として、地下鉄駅や構内の5Gエリア化を行っている

 また、「地下の限られたスペースを有効に使って設置するため、容量においては34%削減、消費電力も45%削減した」(同)。田中氏によると、現在、東北と首都圏エリアで対策を実施して施工に入っているといい、今後は「中部エリアで5Gを対策していくことになる」。また、8月に開始された2回目の追加公募にも応募していく方針だ。


JTOWERが開発したRemote Unit。地下鉄構内の環境に合わせ、防水・防塵対応を施している

 このように屋内中心だったインフラシェアリングだが、ドコモやNTT東西から鉄塔を取得して以降、その状況は徐々に変わりつつある。田中氏は、「数年前だと考えられなかった」と前置きしながら、「キャリアの方からシェアリングで対策してほしいというニーズが、どんどん増えてきている」と明かす。

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