ドコモら、大容量ミリ波通信の実証に成功 複数の高速移動車両で安定通信が可能に
NTTドコモらは、大容量ミリ波(40GHz帯)通信を活用した複数の高速移動車両で同時に安定した通信を実現する技術を開発。車内でのXR(拡張現実)などの没入型サービスや、協調型自動運転などへの活用が期待できる。
NTTドコモとNEC(日本電気)は、5月25日にNTTと共同で行った大容量ミリ波(40GHz帯)通信を活用する技術開発について発表した。
自動車や列車などの高速移動中にミリ波など高い周波数帯で通信を行う場合、基地局の切り替えが頻繁に発生するため電波のドップラー周波数や伝搬遅延が急激に変化し通信品質が低下する課題があった。今回は2025年3月に実証成功した技術を発展させ、対向車線を互いに向かい合って高速で走行する複数の無線端末車両が同時に通信する複雑な条件の環境下でも、各無線端末車両の通信品質低下を抑制することに成功したという。
具体的には、基地局のアンテナごとに各無線端末車両から送られる上り参照信号を用いて、それぞれの無線端末車両に適切な送信周波数や信号の送信タイミングを事前推定。多重化する信号を無線端末車両ごとに事前補正し、合成して送信することで複数の無線端末車両におけるアンテナ切り替え時の受信周波数や受信タイミングの差を同時に解消している。
実証実験は、3月26日から27日までに国土交通省 国土技術政策総合研究所内の実大トンネル実験施設で実施。高速移動環境を模擬するため、基地局の分散アンテナを道路の片側に150m間隔で3台設置し、2台の無線端末車両を時速60kmで対向車線を走行させて下りリンクの伝送実験を行った。
従来技術の場合、アンテナ切り替え時の合計スループットが550Mbpsから110Mbps程度に低下し、走行30秒間の平均スループットは430Mbps程度となった。本技術の場合は安定して380Mbps以上の高いスループットを維持し、平均スループットも560Mbpsと従来技術より約1.3倍向上。累積分布関数(CDF:Cumulative Distribution Function)の下位5%値のスループットも、従来技術の270Mbpsに対して480Mbpsと約1.8倍の向上を確認した。
本実証の成功で、車内でのXR(拡張現実)などの没入型サービス、生成AIを活用したリアルタイム翻訳/案内、協調型自動運転に向けたセンサデータの連携などのミリ波通信の活用が期待される。今後は高速鉄道や在来線、幹線道路など、さまざまな実環境を想定した実証実験を進めるとしている。
本実証の模様と成果には「ワイヤレスジャパン×ワイヤレス・テクノロジー・パーク(WTP)」や「つくばフォーラム 2026」で展示する。
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